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特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療 【認知症診療case by case】
血管性認知症
著者: 佐藤正之1 冨本秀和1
所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科認知症医療学講座
ページ範囲:P.1485 - P.1488
文献購入ページに移動混合型認知症の1例1)
患者:78歳、男性。
既往歴:高血圧。
現病歴:X年秋、歩行時の左側へのふらつきと、もの忘れが見られるようになり近医を受診。X+2年には小股歩行、動作緩慢となり、当科を受診。MMSE(Mini-Mental State Examination)21点、歩行障害と筋強剛、記銘力障害がみられた。3T-MRIで多発ラクナ梗塞と白質病変、さらに微小出血や皮質微小梗塞を認めた(図1)1)。脳血流シンチでは、いわゆるAlzheimer病(AD : Alzheimer's disease)疾患特異領域である両側帯状回後部と、頭頂葉の血流が低下していた。さらにPiB-PETを行ったところ、皮質へのアミロイドの沈着が確認された。以上より、皮質下血管性認知症とADの合併すなわち混合型認知症と診断した。
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