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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻12号

2019年12月発行

文献概要

特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療 【コラム 認知症診療トピックス】

❺病理解剖すると認知症は、診断エラーが結構多い?!

著者: 内原俊記1 融衆太1

所属機関: 1新渡戸記念中野総合病院脳神経内科・脳神経研究室

ページ範囲:P.1507 - P.1509

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 認知障害やParkinson病の背景となる疾患は多様で、臨床診断が病理と異なる割合は、Parkinson病で25%1)、認知症では15〜70%に及ぶとの報告がある2)。髄液や画像所見を用いて診断精度を向上させようとする研究は盛んで、病態の一端を反映していることは確かだが3)、最終病理診断を参照して、これらの臨床検査の精度を評価した研究はほとんどない。臨床診断との相関を見ているこれらの検査は、たとえ理論的背景があっても、臨床診断の精度を超えることはないことを念頭に置く必要があり、診断の確定には病理解剖が不可欠である現状に変わりはない。
 各疾患についての臨床像は本特集の別稿に譲り、本稿では、臨床診断と病理診断がどのように乖離するかについて解説する。

参考文献

1)Rajput AH, et al : Accuracy of Parkinson disease diagnosis unchanged in 2 decades. Neurology 83(5) : 386-387, 2014. PMID 24975858
2)Nelson PT, et al : Low sensitivity in clinical diagnoses of dementia with Lewy bodies. J Neurol 257(3) : 359-366, 2010. PMID 19795154
3)Rabinovici GD, et al : Association of amyloid positron emission tomography with subsequent change in clinical management among medicare beneficiaries with mild cognitive impairment or dementia. JAMA 321(13) : 1286-1294, 2019. PMID 30938796
4)岩瀬環,他:加齢の程度を評価するポイント.病理臨床33(3) : 248-252, 2015.
5)吉田眞理:タウオパチー.病理臨床33(3) : 262-272, 2015.
6)三山吉天:湯浅・三山病.BRAIN and NERVE 63(2) : 109-118, 2011.
7)吉田眞理:TDP-43の神経病理.最新医学65(7) : 1614-1624, 2010.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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