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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻12号

2019年12月発行

文献概要

55歳からの家庭医療 Season 2|明日から地域で働く技術とエビデンス・28

—家庭医療における「治療学」素描❺(終章)—ACUPUNCTURE and MASSAGE

著者: 藤沼康樹1

所属機関: 1医療福祉生協連 家庭医療学開発センター

ページ範囲:P.1542 - P.1544

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 第24回(本年8月号)から家庭医療における「治療学」素描を続けてきましたが、最後は相補代替医療、特に「鍼」と「マッサージ」を取り上げたいと思います。こうした施術を自分で行っているわけではないのですが、ワークショップに参加し自身が鍼治療を受けた経験があり、また鍼灸師の方との私的・公的交流もあって、非常に興味をもっている領域です。
 海外では、家庭医療の診療と鍼治療を有機的に統合する試みが注目されています1)。ただ日本では、おそらく、現在の診療報酬体系と外来診療の構造から、これらを統合するにはまだまだいくつかの壁があると感じます。また、地域の鍼灸院や医療マッサージを提供する施設との連携に関しては、まだシステム自体があまり整っていないと感じています。特に都市部では、鍼灸施設はかなり多く、どこにどんな質の専門家がいるのか、見えそうで見えないというのが実際のところです。医療マッサージに関しても、訪問マッサージの指示書をやりとりするといった在宅診療の文脈での関わりはありますが、一般の外来診療でマッサージが必要というふうに判断しても、では、どこに行ってもらえばよいのかということについては、よいガイドがない現状があります。むろん、こうした状況については地域差があるでしょう。

参考文献

1)Sherman KJ, et al:The practice of acupuncture;who are the providers and what do they do? Ann Fam Med 3(2) : 151-158, 2005. PMID 15798042
2)Crawford PF 3rd, et al:Relationship of training in acupuncture to physician burnout. J Am Board Fam Med 32(2) : 259-263, 2019. PMID 30850462
3)下畑亨良,他:座談会 医師のバーンアウト—早急な実態把握と対策に向けて.週刊医学界新聞 3295:1-3, 2018.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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