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文献概要
特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も! 【OTC薬剤による中毒症・依存症】
ブロム中毒、依存症
著者: 小林正宜1
所属機関: 1葛西医院
ページ範囲:P.135 - P.139
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友人からもらった薬によって発症したブロム中毒の1例
患者:31歳、韓国人女性(ある程度は日本語での会話が可能)。
主訴:ふらつき、呂律困難。
既往歴:不眠症、慢性頭痛。
常用薬:韓国で処方された頭痛薬と睡眠薬。
現病歴:韓国在住であったが、日本で仕事をするために来日した。その後常用薬がなくなったことにより不眠が続くため、友人にもらった市販薬を内服すると、なんとか眠れるようになった。約1カ月前からふらつきを自覚し、時に呂律困難や意識障害が数回あったが、数時間で改善したため病院を受診しなかった。しかし、症状を繰り返すこと、今回の症状が著明であったことから、救急車を要請し搬送となった。
患者は市販薬内服を否定したが、小脳症状を呈すること、血中クロールの値が124mEq/Lと高値であることから、ブロム中毒を疑った。
後日、血中ブロム濃度61.9mg/dL(正常:0.5mg/dL未満)と、慢性中毒をきたす中毒域まで達しており、「ブロム中毒」と確定診断した。
後に、友人からもらっていた薬が市販薬の「ウット®」というブロムワレリル尿素を含む薬剤であったことが判明した。内服中止後は症状を認めていない。
友人からもらった薬によって発症したブロム中毒の1例
患者:31歳、韓国人女性(ある程度は日本語での会話が可能)。
主訴:ふらつき、呂律困難。
既往歴:不眠症、慢性頭痛。
常用薬:韓国で処方された頭痛薬と睡眠薬。
現病歴:韓国在住であったが、日本で仕事をするために来日した。その後常用薬がなくなったことにより不眠が続くため、友人にもらった市販薬を内服すると、なんとか眠れるようになった。約1カ月前からふらつきを自覚し、時に呂律困難や意識障害が数回あったが、数時間で改善したため病院を受診しなかった。しかし、症状を繰り返すこと、今回の症状が著明であったことから、救急車を要請し搬送となった。
患者は市販薬内服を否定したが、小脳症状を呈すること、血中クロールの値が124mEq/Lと高値であることから、ブロム中毒を疑った。
後日、血中ブロム濃度61.9mg/dL(正常:0.5mg/dL未満)と、慢性中毒をきたす中毒域まで達しており、「ブロム中毒」と確定診断した。
後に、友人からもらっていた薬が市販薬の「ウット®」というブロムワレリル尿素を含む薬剤であったことが判明した。内服中止後は症状を認めていない。
参考文献
を多量内服していた1例の計3例に、幻聴や妄想などの精神症状を呈していた症例報告〉
2)橋田英俊,他:市販鎮痛剤常用量の服用による慢性ブロム中毒の1例.日本老年医学会雑誌38 : 700-703, 2001. 〈10年来のブロムワレリル尿素含有鎮痛薬内服歴がある高齢男性に、高クロール血症をきっかけとして慢性ブロム中毒症と診断した症例報告〉
3)小山和弘,他:ブロムワレリル尿素急性薬物中毒例における血中濃度の検討.病院薬学22(1) : 45-51, 1996. 〈10例のブロム中毒症例について、それぞれの血中・胃液・尿中ブロム濃度と意識レベルを比較し検討している〉
4)田崎義昭,他:ベッドサイドの神経の診かた 第18版.pp.239-245,南山堂,2016.〈臨床に則した診断の仕方や身体所見の取り方について詳細に書かれており、整理された図や表の記載が多い〉
5)多田遥香,他:市販鎮痛薬の長期服用により偽性高クロール血症を認めた1例.徳島赤十字病院医学雑誌20(1) : 46-49, 2015. 〈ブロムワレリル尿素含有鎮痛薬の内服により、偽性高クロール血症を呈した症例について、検査部門からの症例報告〉
6)Arai A, et al : Cerebellar ataxia and peripheral neuropathy due to chronic bromvalerylurea poisoning. Internal Medicine 36 : 742-746, 1997. 〈10年間通常量の3倍のブロムワレリル尿素含有薬剤内服によって、意識障害、複視、けいれん、運動失調および歩行障害を呈した42歳男性のブロム中毒症例報告〉
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