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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻2号

2019年02月発行

文献概要

特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も! 【OTC薬剤による中毒症・依存症】

カフェイン中毒、依存症

著者: 北村淳12

所属機関: 1独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 2星ヶ丘医療センター 総合内科

ページ範囲:P.143 - P.146

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Case
眠気予防薬の多量内服によるカフェイン中毒の1例
患者:32歳、男性。
現病歴:自殺目的に眠気予防薬を140錠(無水カフェイン14g)内服し、その後、気分不良を自覚した。嘔気・嘔吐が出現したため、内服4時間後に当院へ救急搬送された。既往歴、内服歴は特になかった。
 来院時の意識は清明であったが、嘔吐を繰り返していた。血圧90/50mmHg、脈拍数200回/分、体温36.2℃、SpO2 98%(room air)であった。身体所見上は明らかな異常を認めなかった。致死量のカフェインを内服しており、挿管、人工呼吸管理とし、活性炭・下剤を投与後、カフェインの除去を目的として血液灌流・血液吸着、血液透析を施行したところ、頻脈は改善した。その後抜管し、後遺症なく退院した。後日判明した入院時の血清カフェイン濃度は111mg/Lであった。

参考文献

1)遠藤容子,他:わが国におけるカフェイン中毒—含有製品と発生状況の現状.中毒研究29(4) : 347-353, 2016. 〈日本中毒情報センターに寄せられたカフェイン中毒相談件数や邦文での症例報告数について書かれている〉
2)Shannon MW, et al : Haddad and Winchester's Clinical Management of Poisoning and Drug Overdose. 4th ed. pp1035-1049, W.B. Saunders, 2007.
3)宮田久嗣,他:カフェイン使用障害.臨床精神医学45(3) : 293-299, 2016. 〈カフェイン使用に関連した障害、離脱症状や中毒などについて書かれている〉
4)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎他(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.p499,医学書院,2014.
5)Juliano LM, et al : A critical review of caffeine withdrawal ; empirical validation of symptoms and signs, incidence, severity, and associated features. Psychopharmacology(Berl)176(1) : 1-29, 2004. PMID 15448977 〈カフェイン離脱症状の頻度についてのレビュー〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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