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特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も! 【OTC薬剤による中毒症・依存症】
カフェイン中毒、依存症
著者: 北村淳12
所属機関: 1独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 2星ヶ丘医療センター 総合内科
ページ範囲:P.143 - P.146
文献購入ページに移動眠気予防薬の多量内服によるカフェイン中毒の1例
患者:32歳、男性。
現病歴:自殺目的に眠気予防薬を140錠(無水カフェイン14g)内服し、その後、気分不良を自覚した。嘔気・嘔吐が出現したため、内服4時間後に当院へ救急搬送された。既往歴、内服歴は特になかった。
来院時の意識は清明であったが、嘔吐を繰り返していた。血圧90/50mmHg、脈拍数200回/分、体温36.2℃、SpO2 98%(room air)であった。身体所見上は明らかな異常を認めなかった。致死量のカフェインを内服しており、挿管、人工呼吸管理とし、活性炭・下剤を投与後、カフェインの除去を目的として血液灌流・血液吸着、血液透析を施行したところ、頻脈は改善した。その後抜管し、後遺症なく退院した。後日判明した入院時の血清カフェイン濃度は111mg/Lであった。
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