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特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く 【診断と治療のストラテジー「頭の先から足の先まで」痛みのcase file 14】
急に頸部が激しく痛い
著者: 神谷亨1
所属機関: 1洛和会音羽病院総合内科・感染症科
ページ範囲:P.387 - P.390
文献購入ページに移動患者:89歳、女性。ADLほぼ自立、自宅で独居。
既往歴:高血圧、骨粗鬆症。
現病歴:来院前日の16時頃、ソファーより立ち上がった時に、軽い後頸部痛を自覚した。来院当日、起床時より激しい後頸部痛と38℃台の発熱あり。湿布を貼って様子を見ていたが痛みが改善せず、午前10時頃、当院内科外来を受診した。痛みは後頸部正中にあり、安静時痛はわずかだが、首を少し動かしただけでズキンとする激痛あり。その他の症状としてごく軽度の頭痛も伴ったが、悪寒、上気道炎症状、胃腸炎症状、嚥下痛なし。診察では、頸部の著しい可動域制限(回旋、前後屈)を認めた。頸部CTを撮影したところ、軸椎歯突起周囲(環椎横靭帯)の石灰化を認め(図1、2)、「crowned dens症候群(CDS)」と診断した。エトドラク200mg 1回1錠、1日2回を処方したところ、翌日には解熱し、徐々に後頸部痛の改善を認めた。10日後の再診外来では後頸部痛や発熱はなく、頸部可動域制限も消失していた。
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