文献詳細
特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く
【診断と治療のストラテジー「頭の先から足の先まで」痛みのcase file 14】
文献概要
Case
患者:61歳、男性。
既往歴:X-20年直腸がん。
現病歴:X-12年2月7日、起床時に左上下肢に強い知覚鈍麻、および軽度の筋力低下を生じ、右被殻出血の診断にて保存的治療を受けた。X-12年5月頃より、顔面を含む左半身、特に上肢<下肢の違和感が疼痛、およびシビレに変化。X-11年3月、紹介により当科を受診した。受診時、左半身の耐え難い疼痛、冷感、シビレを訴え、強い知覚低下、および軽度の片麻痺を伴っていた。X-10年10月6日、除痛手術を目的として当科入院となった。
入院時所見:左半身に持続する、しめつけられるような耐え難い疼痛を認め、上下肢の運動時や、手に物が触れた時などに増強した。さらに、表在知覚障害1-2/10、深部知覚障害6-7/10と、強い知覚低下を認めた。
診断:視床痛。
患者:61歳、男性。
既往歴:X-20年直腸がん。
現病歴:X-12年2月7日、起床時に左上下肢に強い知覚鈍麻、および軽度の筋力低下を生じ、右被殻出血の診断にて保存的治療を受けた。X-12年5月頃より、顔面を含む左半身、特に上肢<下肢の違和感が疼痛、およびシビレに変化。X-11年3月、紹介により当科を受診した。受診時、左半身の耐え難い疼痛、冷感、シビレを訴え、強い知覚低下、および軽度の片麻痺を伴っていた。X-10年10月6日、除痛手術を目的として当科入院となった。
入院時所見:左半身に持続する、しめつけられるような耐え難い疼痛を認め、上下肢の運動時や、手に物が触れた時などに増強した。さらに、表在知覚障害1-2/10、深部知覚障害6-7/10と、強い知覚低下を認めた。
診断:視床痛。
参考文献
1)Dejerine J : Le syndrome, thalamique. Rev Neurol (Paris)14 : 521-532, 1906. 〈視床痛を含む視床症候群について、その病態を初めて明らかにした報告〉
2)Greenspan JD, et al : Central pain state. Loeser JD, et al(ed) : Bonica's Management of Pain, 3rd ed. pp 357-374, Lippincott Wiliams & Wilkins, Philadelphia, 2001. 〈中枢性疼痛について、その症状を詳細に解説している〉
3)平戸政史,他:疫学と病態生理 疼痛.片山容一(編):脳神経外科大系 10—定位・機能神経外科 1章 総論.pp 12-20,中山書店,2005. 〈中枢性脳卒中後疼痛について、その成因から病態までを解説している〉
4)Lenz FA, et al : Characteristics of the bursting pattern of action potentials that occurs in the thalamus of patients with central pain. Brain Res 496(1-2) : 357-360, 1989. PMID 2804648 〈中枢性疼痛例の視床感覚核で認められる不規則なバースト放電と疼痛との関係について論じている〉
5)「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究」研究班(監),慢性疼痛治療ガイドライン作成ワーキンググループ(編):慢性疼痛治療ガイドライン.真興交易医書出版部,2018. 〈視床痛を含むさまざまな慢性疼痛に対する治療法を、エビデンスベースドで解説している〉
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