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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻4号

2019年04月発行

文献概要

特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く 【診断と治療のストラテジー「頭の先から足の先まで」痛みのcase file 14】

血糖は良くなったけれど足が痛い!

著者: 八木橋操六12

所属機関: 1公益財団法人 額田医学生物学研究所 2弘前大学大学院医学研究科

ページ範囲:P.417 - P.421

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Case
患者:42歳、男性、会社員。
主訴:両足の痛み。
病歴:家族歴、既往歴は特になし。数年来、会社の健診で高血糖を指摘されていたが、仕事が忙しいため放置していた。半年前より口渇、頻尿などが出現、疲労感も強くなったため近医を受診した。その結果、血糖300mg/dL、HbA1c 14.5%で重症の糖尿病といわれ入院、ただちにインスリン治療が開始された。その後、2〜3週間で自覚症状は消失、空腹時血糖は80mg/dL、食後血糖125mg/dLと正常化、HbA1cも治療開始後6週目で5.8%であった。治療開始12週後、職場復帰を控えた前日から、急に両足全体に、強い、針が刺さるような痛みが出現、触ってもビリビリと強い痛みを覚えるようになった。痛みは両足から膝近くに及び、安静時に強く、眠れず、食欲不振、体重減少とともに立ち眩み、便秘などもある。網膜症,腎症などの所見はみられない。

参考文献

1)Gibbons CH, et al : Treatment-induced neuropathy of diabetes ; an acute, iatrogenic complication of diabetes. Brain 138(Pt 1): 43-52, 2015. PMID 25392197
2)Pop-Busui R, et al : Diabetic neuropathy ; a position statement by the American Diabetes Association. Diabetes Care 40(1): 136-154, 2017. PMID 27999003
3)Tesfaye S, et al : Arterio-venous shunting and proliferating new vessels in acute painful neuropathy of rapid glycaemic control (insulin neuritis). Diabetologia 39(3) : 329-335, 1996. PMID 8721779
4)Yagihashi S, et al : Mechanism of diabetic neuropathy ; where are we now and where to go? J Diabetes Investig 2(1) : 18-32, 2011. PMID 24843457
5)Sugimoto K, et al : Peripheral nerve endoneurial microangiopathy and necrosis in rats with insulinoma. Acta Neuropathol 108(6) : 503-514, 2004. PMID 15365726
6)Jensen TS, et al : New perspectives on the management of diabetic peripheral neuropathic pain. Diab Vasc Dis Res 3(2) : 108-119, 2006. PMID 17058631

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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