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特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く 【診断と治療のストラテジー「頭の先から足の先まで」痛みのcase file 14】
血糖は良くなったけれど足が痛い!
著者: 八木橋操六12
所属機関: 1公益財団法人 額田医学生物学研究所 2弘前大学大学院医学研究科
ページ範囲:P.417 - P.421
文献購入ページに移動患者:42歳、男性、会社員。
主訴:両足の痛み。
病歴:家族歴、既往歴は特になし。数年来、会社の健診で高血糖を指摘されていたが、仕事が忙しいため放置していた。半年前より口渇、頻尿などが出現、疲労感も強くなったため近医を受診した。その結果、血糖300mg/dL、HbA1c 14.5%で重症の糖尿病といわれ入院、ただちにインスリン治療が開始された。その後、2〜3週間で自覚症状は消失、空腹時血糖は80mg/dL、食後血糖125mg/dLと正常化、HbA1cも治療開始後6週目で5.8%であった。治療開始12週後、職場復帰を控えた前日から、急に両足全体に、強い、針が刺さるような痛みが出現、触ってもビリビリと強い痛みを覚えるようになった。痛みは両足から膝近くに及び、安静時に強く、眠れず、食欲不振、体重減少とともに立ち眩み、便秘などもある。網膜症,腎症などの所見はみられない。
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