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特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く 【診断と治療のストラテジー「頭の先から足の先まで」痛みのcase file 14】
関節が痛いんです!
著者: 天野惠子1
所属機関: 1静風荘病院女性内科・女性外来
ページ範囲:P.445 - P.449
文献購入ページに移動患者:57歳、女性。
主訴:冷え、倦怠感、関節痛。
既往歴:50歳時、子宮筋腫により子宮全摘、両側卵巣摘出。
現病歴:子宮筋腫手術時に、卵巣がん予防との医師の勧めで両側卵巣を摘出。術後1カ月で足裏の角化、皮膚のたるみなどの皮膚症状が出現。HRT(ホルモン補充療法)(プレマリン1T)を開始。皮膚症状は軽快した。HRTは継続していた。53歳時、のぼせ・ほてり、発汗が出現。56歳時、両側の足の裏から腰までのしびれが出現。神経内科・物療内科・整形外科を受診するも、検査上は異常なし。57歳時、全身の冷え(特に腰から下)と強い倦怠感が出現。秋口からは、手首・足首・肘・膝の関節・背部が痛み、家事に支障をきたすようになった。痛み・しびれ・倦怠感は入浴により、嘘のように改善するが、出浴後2時間ほどで元に戻る。HRTに漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」を加えて処方。さらに、関節部に温熱サポーター装着などを行うことにより、痛み・しびれ・倦怠感は若干軽減した。その後、59歳の春より、痛み・しびれ・全身の倦怠感は順次解消し、夏には健康感を実感でき、終診となった。
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