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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻4号

2019年04月発行

文献概要

特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く 【診断と治療のストラテジー「頭の先から足の先まで」痛みのcase file 14】

腰も足も痛いんです!

著者: 鉄永倫子1 鉄永智紀1 尾﨑敏文1

所属機関: 1岡山大学病院 整形外科

ページ範囲:P.450 - P.454

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Case
患者:42歳、女性。
既往歴:特記事項なし。
現病歴:20代より腰痛を繰り返し、その都度NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を内服し、安静にしていた。今回も重いものを持ち上げた後から腰痛が出現し、近医を受診してNSAIDsを処方され、内服していた。いつものように痛みが落ち着くだろうと思い、2週間家で安静に過ごしていた。しかし、痛みは腰のみならず右足後面に広がり、ビリビリ電気が走るような痛みが広がっていった。痛みが続くため再診すると、「もう少しNSAIDsを内服するように」と指示され帰宅したが、右足は少し触っただけでも痛みを感じるほどになったため、他院を受診した。その際に、今回の痛みは、神経障害性疼痛が関係していると、鎮痛補助薬であるプレガバリンが処方され、4週間内服したところ疼痛が軽減し、通常通りの日常生活を送ることが可能となり、内服終了となった。
理学所見:右坐骨神経領域に一致した疼痛、しびれを認めた。筋力低下なし。下肢伸展挙上テスト(straight leg raising test : SLRT)にて、右下肢に疼痛が誘発される。
画像所見:腰椎単純X線にて特記事項を認めなかった(図1)。腰椎MRIにて第4、5腰椎椎間板の変性を認め、やや右優位の腰椎椎間板の突出を認めた(図2)。

参考文献

1)Tetsunaga T, et al : The clinical manifestations of lumbar disease are correlated with self-rating depression scale scores. J Orthop Sci 18(3) : 374-379, 2013. PMID 23443204
2)小川節郎,他:わが国における慢性疼痛および神経障害性疼痛に関する大規模実態調査.臨整外47(6) : 565-574, 2012.
3)日本ペインクリニック学会(編),他:神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン2.真興交易医書出版部,2016.
4)Tetsunaga T, et al : Outcomes of pregabalin in lumbar-disease patients with depression. J Orthop Sci 19(2) : 229-234, 2014. PMID 24430241
5)Tetsunaga T, et al : Short-term outcomes of patients being treated for chronic intractable pain at a liaison clinic and exacerbating factors of prolonged pain after treatment. J Orthop Sci 22(3) : 554-559, 2017. PMID 28202302

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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