icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻4号

2019年04月発行

文献概要

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!|胸腹痛をきたす“壁”を克服しよう・1【新連載】

胸壁症候群が重要なワケとは?

著者: 上田剛士1

所属機関: 1洛和会ヘルスケアシステム洛和会丸太町病院救急・総合診療科

ページ範囲:P.478 - P.480

文献購入ページに移動
「心臓ではない痛み」という説明で満足していませんか?
 「胸痛をきたす疾患」と言われて、まず思いつくのは急性冠症候群ではないでしょうか? それ以外にも大動脈解離、肺塞栓症などを鑑別に加えた方もおられるかもしれませんが、いずれにせよ、重篤な疾患をまずは想起するでしょう。
 鑑別疾患を挙げる際には、「Critical(緊急性の高い)」「Curable(治療可能な)」「Common(頻度の高いしびれ)」の3Cを意識すると良いとされますが、胸痛においては、急性冠症候群というcriticalな疾患がcommonでもあること、他にも大動脈解離、肺塞栓症、特発性食道破裂、緊張性気胸というcriticalな病態が多いことから、軽症でcommonな疾患は軽視されがちです。

参考文献

1)Buntinx F, et al : Chest pain in general practice or in the hospital emergency department ; is it the same? Fam Pract 18(6) : 586-589, 2001. PMID 11739341
2)Haasenritter J, et al : Causes of chest pain in primary care ; a systematic review and meta-analysis. Croat Med J 56(5) : 422-430, 2015. PMID 26526879
3)Bösner S, et al : Chest wall syndrome in primary care patients with chest pain ; presentation, associated features and diagnosis. Fam Pract 27(4) : 363-369, 2010. PMID 20406787
4)Bösner S, et al : Chest pain in primary care ; is the localization of pain diagnostically helpful in the critical evaluation of patients? ; a cross sectional study. BMC Fam Pract 14 : 154, 2013. PMID 24138299
5)Verdon F, et al : Chest wall syndrome among primary care patients ; a cohort study. BMC Fam Pract 8 : 51, 2007. PMID 17850647

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら