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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻7号

2019年07月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・31

Woman from the South「いつ・どこで」が診断の鍵!

著者: 野崎由迅1 石井隆弘1 嵩原安彦1 徳田安春2

所属機関: 1沖縄協同病院総合内科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.862 - P.866

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CASE
患者:20代、女性。
主訴:発熱、咽頭痛、嘔吐。
現病歴:
●X年10月26日:発熱、咽頭痛、下痢が出現した。下痢は1回で、その後は持続しなかった。
●10月29日:40℃まで熱が上がり、頭痛、鼻汁、咳が出現し、3回嘔吐した。
●10月30日:症状が改善しないため、当院救急外来を受診した。
review of systems(主なもの):
●ROS(+):発熱、食欲不振、頭痛、鼻汁、咳、咽頭痛、悪心・嘔吐、下痢(1度のみ)。
●ROS(-):皮疹、関節痛、リンパ節腫脹、喀痰、腹痛、血便、頻尿、排尿時痛。
既往歴・薬剤歴・アレルギー歴:なし。
嗜好歴:飲酒は機会飲酒程度、喫煙歴はなし。
患者情報:国籍はネパールで、日本語学校の学生。
シックコンタクトなし、動物接触歴なし。
海外渡航歴:カトマンズで生活していた。
●X年10月22日:ネパールのカトマンズから中国の昆明に移動し、1泊した。調理された鶏肉と野菜を食べ、ペットボトルに入った水を飲んだ。
●10月23日:昆明から沖縄に移動した。
●その他の海外渡航歴はなし。

参考文献

1)Cunha BA : The diagnostic significance of relative bradycardia in infectious disease. Clin Microbiol infect 6(12) : 633-634, 2000. PMID 11284920
1)Crump JA, et al : The global burden of typhoid fever. Bulletin of the World Health Organization 82(5) : 346-353, 2004. PMID 15298225 〈米国の代表的な臨床感染症の教科書〉
2)John EB, et al : Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 8th ed. pp1270-1282, Saunders, St. Louis, 2014.
3)David Schlossberg. 2015/岩田健太郎(訳):シュロスバーグの臨床感染症学.pp806-810,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2018. 〈比較的最近出版された臨床感染症の教科書の読みやすい完訳版〉
4)John Wain, et al : Typhoid fever. Lancet 385 : 1136-1145, 2015. PMID 25458731 〈薬剤耐性 Salmonellaの分布について記載されている〉
5)忽那賢志:症例から学ぶ 輸入感染症 A to Z.pp175-190, 中外医学社,2015. 〈さまざまな輸入感染症について、わかりやすく解説されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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