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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻8号

2019年08月発行

文献概要

What's your diagnosis?[200]

振り返りは合言葉

著者: 中島隆弘1 大場雄一郎2

所属機関: 1明石医療センター総合内科(前大阪急性期・総合医療センター) 2大阪急性期・総合医療センター総合内科

ページ範囲:P.894 - P.898

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病歴
患者:58歳、男性
主訴:発熱
現病歴:来院4年前に糖尿病性腎症で維持透析導入となった。来院2カ月前から発熱と関節痛が出現し、近医を受診して関節リウマチが疑われた。ブシラミンが投与開始されたが、症状は改善しなかった。来院19日前に他院総合病院を紹介受診し、精査加療で入院となった。抗菌薬ピペラシリン・タゾバクタムが投与開始された。その後解熱し、関節痛が改善したために、来院9日前に退院となった。しかし退院後から微熱が再燃した。発熱と関節痛の精査目的で当科に紹介受診となった。
ROS陽性:盗汗、朝のこわばり、関節痛、瘙痒感(1年前より)、便秘(数年前より)、浮腫(数年前より)
ROS陰性:食欲低下、体重減少、顎破行、複視、視力低下、羞明、鼻水、鼻閉、咽頭痛、嚥下困難、咳嗽、胸痛、冷や汗、呼吸苦、嘔気、腹痛、下痢、血便、筋痛、Raynaud兆候
既往歴:26年前〜糖尿病、高血圧症/4年前〜末期糖尿病性腎症、維持透析導入/3年前〜甲状腺機能低下症/食物薬品アレルギー歴なし
薬剤歴:
●レボチロキシン50mg1日1回
●オルメサルタン20mg/アゼルニジピン16mg配合錠1日1回
●アロプリノール100mg2日に1回
●アレドロン酸35mg週1回
●フェキソフェナジン30mg1日1回
●ブロチゾラム0.25mg1日1回
●モサプリド1.67mg1日3回
●トリメブチンマレイン酸33.3mg1日3回
●センノシド12mg1日1回
●ルビプロストン24μg1日1回
生活歴:妻と2人暮らし、ADL自立
職業:無職
居住歴:出生も居住も大阪市内
喫煙歴:60本/日×33年(8年前に禁煙)
飲酒歴:なし
曝露歴:周囲の類症との接触なし、海外渡航歴なし、動物接触歴なし、結核曝露歴なし

参考文献

1)Zumla A, et al : Granulomatous infections ; etiology and classification. Clin Infect Dis Jul 23(1) : 146-158. 1996. PMID 8816144 〈感染による肉芽腫性疾患のレビュー。表1は一部改編した〉
2)Marth T, et al : Tropheryma whipplei infection and Whipple's disease. Lancet Infect Dis 16(3) : e13-22, 2016. PMID 26856775 〈Whipple病のレビュー〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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