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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻8号

2019年08月発行

文献概要

特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール 【検査結果での落とし穴と限界】

心筋バイオマーカー・D-dimer・BNP

著者: 西織浩信1 水野篤2

所属機関: 1千葉大学 心臓血管外科 2聖路加国際病院循環器内科

ページ範囲:P.904 - P.910

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Case1
高感度トロポニンT上昇からNSTEMIの診断に至り、PCIを施行した1例
患者:72歳、男性
主訴:胸痛
既往歴:高血圧、脂質異常症
現病歴:来院2カ月前から階段昇降時などの労作時に軽度の胸痛を自覚していた。来院前日夜、臥床していたところ急性発症の胸骨裏の胸痛が出現、様子を見ていたがその後も症状改善なく、翌朝救急部を受診した。心電図ではⅡ、Ⅲ、aVF誘導にてST-T低下を認め、血液検査では高感度心筋トロポニンTが上昇していた。非ST上昇型急性心筋梗塞(NSTEMI)の診断となり、同日準緊急でCAG(冠動脈造影)を施行、責任病変に対してPCI(経皮的冠動脈形成術)を試行した。術後経過は良好で、入院5日後退院となった。

参考文献

1)厚生労働省:人口労働統計. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/10_h6.pdf 〈性別にみた死因順位別 死亡数・死亡率がまとめられている〉
2)Thygesen K, et al : ‘Ten Commandments' for the fourth universal definition of myocardial infarction 2018. Eur Heart J 40(3) : 226, 2019. PMID 30649367 〈2018年版 第4版のACSのuniversal definition〉
3)日本循環器学会,他:急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版).2019. http://j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kimura.pdf 〈ACSに関して診断・治療・予防まで詳細にまとめられている〉
4)水野篤:【豆プラ】キャズムを超えたMB. https://www.youtube.com/watch?v=5NsK_IP7Svk&list=PLxKJrJ_ES9KUZBLNukQ37fW-d7rtRZrRX&index=16
5)Thygesen K, et al : Recommendations for the use of cardiac troponin measurement in acute cardiac care. Eur heart J 31(18):2197-2204, 2010. PMID 20685679 〈心筋トロポニンに関して生化学的特徴から診断への利用方法までわかりやすくまとめている〉
6)Roffi M, et al, ESC Scientific Document Group : 2015 ESC Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation ; task force for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation of the european society of cardiology(ESC). Eur Heart J 37(3) 267-315 : 2016. PMID 26320110 〈2015年の欧州心臓病学会のガイドライン〉
7)日本循環器学会,他:肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版).2018. http://j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_ito_h.pdf 〈日本版肺血栓塞栓症のガイドライン〉
8)日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).2018. http://asas.or.jp/jhfs/pdf/topics20180323.pdf
9)日本心不全学会予防委員会:血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療の留意点について. www.asas.or.jp/jhfs/topics/bnp201300403.html 〈BNPの臨床利用に関してまとめている。BNPガイド下治療のエビデンスが乏しい点も言及している〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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