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特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール 【画像の見落としパターンと限界】
異常所見の伝え方—システム要因への対策法
著者: 木藤雅文1 山下康行1
所属機関: 1熊大病院画像診断・治療科
ページ範囲:P.970 - P.974
文献購入ページに移動わが国においてCT、MRIなどの画像診断機器の数は、世界でも群を抜いて多いことが知られており、非常にアクセシビリティが高いと言える1)(図1)。撮影装置と新技術・撮影方法の持続的な開発のため、診断レベルも飛躍的に向上してきている。画像診断に基づいて患者のマネージメント、意思決定がなされることも多く、画像検査の件数も増加している。さらに近年では、臨床医の間ではリスク回避の気持ちや患者の検査希望もあり、画像診断の適応について十分に検討がなされないまま、“念のために”全身スクリーニングのCTやMRIを撮ってみる、という傾向も一部に認められ、わが国の画像検査数の増加に拍車をかけている。これは医療経済や無駄な被曝を避ける点から、大変重要な問題である。
またそういった背景のなかで、近年、画像診断報告書未読の問題が発生している。従来よりも検査データ量が増加し、多忙を極める医師が、すべての画像検査の結果を把握できず、結果として患者の不利益につながったケースが報告されてきている。
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