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特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) 【コモンディジーズに対する標準的診療】
❿慢性咳嗽
著者: 松村榮久1
所属機関: 1松村医院
ページ範囲:P.1086 - P.1088
文献購入ページに移動咳嗽は、持続期間により、3週間未満の「急性咳嗽」、3週間以上8週間未満の「遷延性咳嗽」、8週間以上の「慢性咳嗽」に分類される。「肺癌」「肺結核」「間質性肺炎」「心不全」など、予後に関わる疾患を見逃さないことが最重要である。それらが除外された狭義の慢性咳嗽において、最も頻度の高い疾患は「咳喘息」であり、次いで「胃食道逆流症」「副鼻腔気管支症候群」である。咳喘息には、吸入ステロイド薬、胃食道逆流症にはPPI(プロトンポンプ阻害薬)、副鼻腔気管支症候群にはマクロライドの少量持続投与(原則としてエリスロマイシン)にて診断的治療を行う。
参考文献
1)日本呼吸器学会:喀痰・咳嗽の診療ガイドライン2019. メディカルレビュー社,2019.
2)日本呼吸器学会:咳嗽に関するガイドライン第2版.メディカルレビュー社,2012. http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/1048.pdf(2019年8月5日現在)
3)Matsumoto H, et al : Prognosis of cough variant asthma ; a retrospective analysis. J Asthma 43(2) : 131-135, 2006. PMID 16517429 〈咳喘息を自然経過観察すると約30%が典型的喘息に移行することを記載〉
4)Fujimura M, et al : Bronchodilator-resistive cough in atopic patients ; bronchial reversibility and hyperresponsiveness. Intern Med 31(4) : 447-452,1992. PMID 1352997 〈アトピー咳嗽を最初に提唱した論文〉
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