総合診療30巻11号

2020年11月発行

投稿 GM Report

佐賀大学医学部附属病院総合診療部での定期的な専門研修の振り返り

著者： 多胡雅毅¹ 藤原元嗣¹ 相原秀俊¹ 徳島圭宜¹ 香月尚子¹ 山下秀一¹ 大串昭彦² 杉岡隆²

所属機関： ¹佐賀大学医学部附属病院総合診療部 ²佐賀大学医学部地域医療支援学講座

ページ範囲：P.1420 - P.1423

　佐賀大学医学部附属病院総合診療部（当科）の専攻医は大学病院と市中関連病院（2つの公立病院と1つの急性期2次病院）を数年ごとに異動し、さまざまな病院で実践を積む。我々の総合診療医教育の理念は、派遣先の指導医と大学に所属する総合診療医が協力して総合診療医教育を行うことである。派遣された専攻医は、その理念と総合診療専門医プログラム整備基準^1）のWorkplace-based assessment、Case-based discussion、メンタリングシステムの構築に関する記載に基づき、当科から派遣された常勤指導医と、当科と地域医療支援学講座の助教以上の教員より教育を受ける。教員の訪問は週1〜2回行い、診療指導に加え研究・論文執筆・学会発表などの学術指導、メンタリングなどの質の高い指導を提供する。専攻医に対する調査では、後期研修・指導医・訪問指導への満足度は高く、一定の効果が見られた^2）。
　さて、当科ではこれらの基本的な取り組みに加えて、大学に定期的に専攻医および指導医を召集し、個々の専攻医の研修内容を発表させる形での振り返り（専攻医振り返り）を開催している。

参考文献

1）日本専門医機構：総合診療専門医プログラム整備基準．https://jmsb.or.jp/sogo-dl/comprehensive_part180518rev2.pdf

2）多胡雅毅，藤原元嗣，山下秀一．佐賀大学における総合診療医教育の実践と効果：大学病院，佐賀大学附属地域総合診療センター，関連する市中病院での研修の検討．ジェネラリスト教育コンソーシアムconsortium 14 : 186-190, 2020.