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雑誌目次

雑誌文献

総合診療30巻12号

2020年12月発行

雑誌目次

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1446 - P.1447

 さまざまなガイドラインは随時更新され、新たなエビデンスが世界各国から続々と報告されるなか、「専門外」の分野で根拠に基づく治療を行うことは困難です。また、“日本だけの独特な治療法”も存在します。そうしたなかで、“ヤブ医者”になってしまうこと(ヤブ化)を防ぐには、絶え間ない学習が必要です。あなたは“ヤブ化”していませんか?
 本特集では、時間をかけることなく簡単に最新のエビデンスを学習できるよう、前回ご好評いただいた特集『“ヤブ化”を防ぐ「外来診療」基本のき』(本誌2019年9月号)で取り上げることができなかった、外来診療でよく遭遇するコモンディジーズについて引き続き解説します。
 各項目において、どういう場合にすぐに専門医に紹介する必要があるか、頻度が高い疾患は何か、ガイドラインに沿った適切な治療法について、端的に解説していきます。また最今話題になっている「ポリファーマシー」「ワクチン接種」「がん検診」についても、今回取り上げてみました。

【総論】

あなたの“ヤブ化度”チェックテスト

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1448 - P.1451

“ヤブ化”は、気づかぬうちに進むもの…。
そこで、総合診療領域における代表的な臨床問題を、10問つくってみました。
〈5問以上〉不正解の場合は、ヤブ化が進んでいるおそれがあります!?
あなたもチェックしてみましょう。(選ぶべき選択肢はすべて1つです)

コモンディジーズに対する標準的診療

❶脳血管障害

著者: 奥田聡

ページ範囲:P.1452 - P.1455

“ヤブ化”予防法
◦先入観を持たず、本人あるいは家族の訴えを聞くこと。
◦血栓溶解療法、脳血管内治療の適応例はすみやかに専門施設へ搬送すること。
◦軽症と思われる症例でも甘く見ず、丁寧な診療・説明を心がけること。

❷不眠

著者: 木村勝智

ページ範囲:P.1456 - P.1459

“ヤブ化”予防法
◦条件反射的な睡眠薬の処方はしない。
◦適切な問診と睡眠衛生指導を忘れない。

❸うつ/不安

著者: 宮崎仁

ページ範囲:P.1460 - P.1463

“ヤブ化”予防法
医学的に説明のつかない身体症状を診たら、不定愁訴症候群/自律神経失調症といった曖昧な名付けだけで放置してはいけない。背後に隠れている「うつ/不安」の評価を必ず行うこと!

❹失神

著者: 鵜山保典

ページ範囲:P.1464 - P.1467

“ヤブ化”予防法
◦失神と意識障害を分けて鑑別をする。失神の患者に頭部CTは診断に寄与しない。
 ➡失神は大脳皮質全体か脳幹の一過性の血流低下が主病態。8〜10秒程度の血流途絶できたしうる。
◦転倒患者に顔面外傷がある場合に、失神の精査を怠ってはいけない。
 ➡失神が隠れている可能性がある。
◦失神の原因として、薬剤性を必ず念頭に。

❺肺炎

著者: 松村榮久

ページ範囲:P.1468 - P.1470

“ヤブ化”予防法
◦「高熱を伴う咳主体のかぜ」や「感冒後の二峰性発熱」では、肺炎の可能性を考えて診療する。
◦肺炎球菌性肺炎は市中肺炎で最も多く、重症肺炎の起因菌としても最多である。
◦ニューキノロンは市中肺炎のほとんどの起因菌に有効だが、肺に基礎疾患のない症例での常用は思考停止と心得る。
◦治療経過が順調でない時には肺結核と肺癌の想起を忘れないこと。

❻心不全

著者: 橋本理 ,   若林禎正

ページ範囲:P.1472 - P.1475

“ヤブ化”予防法
◦危ない心不全はどんな心不全かを知る。
◦stage A/Bから介入を! 運動、栄養、生活面の指導といったセルフケアが必要不可欠!

❼冠動脈疾患

著者: 宗像源之

ページ範囲:P.1476 - P.1477

“ヤブ化”予防法
❶病歴聴取・心電図・トロポニンの三種の神器を使いこなす!
❷胸痛の身体診察で重要なのは、触診!
❸重要な文献は押さえておこう!

❽不整脈

著者: 橋本理 ,   若林禎正

ページ範囲:P.1478 - P.1481

“ヤブ化”予防法
◦心房細動は抗凝固だけで放っておく時代ではない!
◦PSVTと思ったら、修正Valsalva→ATP!
◦アブレーションの「いま」を知っておく!

❾貧血

著者: 宮崎仁

ページ範囲:P.1482 - P.1485

“ヤブ化”予防法
貧血を診たら背後にある原因や病態を必ず探索すること。原因の探索なしに、鉄剤を安易に漫然と投与することは御法度である。

❿腹痛/[column]妊娠可能な女性の腹痛

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1486 - P.1488

“ヤブ化”予防法
◦急性腹症の診断は80%が問診である。

⓫ナトリウム異常

著者: 柴﨑俊一

ページ範囲:P.1490 - P.1492

“ヤブ化”予防法
◦低Na血症の原因を安易にSIADHとしない。
◦低Na血症に原因検索なしに漫然と塩化ナトリウムを処方しない。
◦浮腫のある低Na血症に塩化ナトリウムや生理食塩水の点滴をしない。

⓬カリウム異常

著者: 柴﨑俊一

ページ範囲:P.1494 - P.1495

“ヤブ化”予防法
◦偽性高K血症を減らすために、正しい採血方法を見直す。
◦GFR>15〜30の腎不全で、高K血症の原因を「腎不全だけ」と決め打ちしない。
◦高K血症の治療で、ポリスチレンスルホン酸Naを漫然と使用しない。

【トピックス】

❶ポリファーマシー

著者: 吉田英人

ページ範囲:P.1496 - P.1499

ポリファーマシーの定義
 ポリファーマシーは日常診療のなかでよく出会うプロブレムであるが、明確に定まった定義はない。一般的に、薬の数に注目する「量的」な視点と、薬の内容に注目する「質的」な視点で定義されることが多い。

❷ワクチン接種/[column]風しんの追加的対策の対象者の覚え方

著者: 森川智子 ,   寺澤佳洋

ページ範囲:P.1500 - P.1505

 昨今、コロナ禍により小児のワクチン接種率が低下しているという報告がある1,2)。しかしワクチンによって予防できる病気(vaccine preventable disease:VPD)は多数ある。COVID-19のワクチンがニュースで報道され、人々の関心が高いこの時期に正しいワクチン接種に導く案内人となるべく、最近の動向を踏まえてまとめた。
 ワクチン接種は、1次予防としてプライマリ・ケアおよび総合診療医に欠かせない分野の1つと言われている。ワクチン接種は個人を感染症から守るだけでなく、集団や社会を守る。多くの人が免疫を持つと、接種していない人も感染の危険性が少なくなり、守られることになる3)

❸がん検診

著者: 森川慶一 ,   寺澤佳洋

ページ範囲:P.1506 - P.1510

 わが国の2019年度のがん罹患者数予測は101万7,200人、がん死亡者数予測は38万300人と推定されている。罹患部位別には大腸、胃、肺、女性乳房、前立腺の順に、がん死亡数は肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順に多くなっている1)
 国民の2人に1人ががんに罹患する2)と言われる現状で、本稿では推奨されるがん検診について取り上げたい。

Editorial

“ヤブ化”を防ぐ!—これだけ知っておけば“60点以上の及第点”

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1437 - P.1437

 新型コロナウイルス感染症の流行で生活が大きく変化した。福島県から外に出ることは全くできなくなった。週末はのんびりと本を読んだり、執筆をしたり、ネットで映画を見る。しかし、1人きりになる時間が多いこの生活を、私は結構気に入っている。自分はあまり社交的な人間ではなかったようだ。人恋しくても美味しいものを食べると、明日も頑張ろうと活力が湧いてくる。
 cookpadと呼ばれるアプリがある。これがなかなかの優れものである。6年前に単身赴任を始めるまで、料理はほとんど作ったことはなかった。しかし、cookpadの人気メニューを見ながら作れば、中高年のおじさんでも結構おいしい料理を作ることができる。週末に3皿ぐらい料理を作っておき、少し味見をした後に分割冷凍し、その週の夕食とするのである。

What's your diagnosis?[216]

型にはまりません

著者: 神山雅喜 ,   重原良平 ,   大矢亮 ,   河村裕美 ,   杉本雪乃 ,   藤本卓司

ページ範囲:P.1440 - P.1444

患者:69歳、女性
主訴:手指と足関節の腫脹・疼痛
現病歴:アルコール性肝障害、高血圧症、慢性甲状腺炎などで定期通院中。数年前に関節痛(詳細不明)があり近医受診し、痛風と診断され鎮痛薬を処方されて軽快。2カ月前より断酒。3日前から右第4指MP(中手指節)関節付近に発赤、腫脹、疼痛が出現し、はさみが握れなくなったため近医を受診し、解熱鎮痛薬を処方された。2日前から右足関節の疼痛と腰痛も出現したため、多関節炎として当院救急外来に紹介
ROS陰性:頭痛、難聴、嘔気、嘔吐、悪寒戦慄、咽頭痛、咳嗽、喀痰、腹痛、下痢
既往歴:胃がん(10年前に部分切除、BillrothⅠ法)、高血圧、脂質異常症、慢性甲状腺炎、高尿酸血症、アルコール性肝障害、総胆管結石性胆管炎
常用薬:アロプリノール100mg、ゾルピデム10mg、ベリチーム3g、ウルソデオキシコール酸100mg、ランソプラゾール15mg、レボチロキシンナトリウム水和物50mg、ロペラミド塩酸塩1mg
生活歴:夫と2人暮らし。小児との接触なし。大酒家だが2カ月前から断酒。喫煙10〜20本/日×45年、65歳で禁煙。海外渡航歴なし

【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・9

「素晴らしい!」と繰り返す日々を

著者: 田村謙太郎

ページ範囲:P.1517 - P.1517

本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。

Update'20

自分の将来を他人に託してはならない—総合診療専門研修「専攻医説明会」に参加して

著者: 横田雄也

ページ範囲:P.1518 - P.1519

 2020年9月20日、総合診療専門研修専攻医を対象に、日本専門医機構による「2020年度第1回専攻医説明会・質疑応答の会」がオンライン開催された。2018年度に総合診療専門医研修がスタートしてから3年、私自身は2019年度から専攻しているが、これまでこうした説明会はなく、待ちに待ったものだ。専攻医のみが参加でき、私もその1人として参加した。
 質疑応答形式の1時間半の説明会で、事前または当日に寄せられた質問に、総合診療専門医検討委員会(以下、検討委員会)の先生が回答してくださった。電子版研修手帳「J-GOAL(Japan Generalist Outcome Achievement Logbook)」や「総合診療版J-OSLER」、総合診療と内科の「ダブルボード」に関する質問などがみられ、あげられた質問は日本専門医機構・総合診療専門医のホームページに掲載されるとのことだ。本稿では、個人的に2つのトピックを取り上げ、私見を述べたい。

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・48

間質性肺炎の治療で糖尿病増悪は予測できたか?

著者: 服部貴之 ,   兼城隆雄 ,   徳田安春

ページ範囲:P.1520 - P.1523

CASE
患者:79歳、女性。無職。
主訴:歩行後息切れ。
現病歴:進行性膵尾部がんで全身化学療法施行中であった。化学療法来院時に、歩行後息切れを認めていた。化学療法時血液検査で炎症所見を認め、胸腹部単純CTを施行した。両側肺野にすりガラス陰影や網状影の所見を認めたため、間質性肺炎の診断で入院となった。
並存症:膵尾部がん・多発肝転移・骨転移。
既往歴:糖尿病、肺がん術後。
薬剤歴:抗がん薬:ゲムシタビム塩酸塩、トホグリフロジン水和物20mg 1錠、1日1回。ブロチゾラム0.25mg、1日1回。ボノプラザンフマル酸塩10mg、1日1回。アセトアミノフェン800mg、1日4回。酪酸菌細粒1g、1日3回。
喫煙・飲酒歴:なし
アレルギー歴:なし

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・9

2日後に筋肉痛が来るのは歳のせいか?

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.1524 - P.1526

患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはないですが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!

素人漢方のススメ|感染症編・12【最終回】

—終章—漢方による感染症治療の可能性

著者: 鍋島茂樹

ページ範囲:P.1527 - P.1529

 1年間にわたって連載してきた「素人漢方のススメ 感染症編」もいよいよこれが最終回です。今回は今まで取り上げてこなかった感染症症例を紹介し、漢方による感染症治療の可能性について解説します。

“コミュ力”増強!「医療文書」書きカタログ・7

—その日のギモンは、その日のうちに!—病院ERから紹介元診療所への診察結果報告書

著者: 天野雅之

ページ範囲:P.1530 - P.1534

今月の文書
診療情報提供書
セッティング:総合病院のER→診療所への返書
患者:発熱と右側腹部痛で診療所を受診し、超音波検査で閉塞性尿路感染症が疑われた高齢女性。入院も念頭にERに紹介されたが、結果的に入院不要と判断された。
【登場人物】
桜井:臨床研修医2年目。ER研修中。
飛鳥:総合診療医。桜井の指導医。
月ヶ瀬:地域の開業医。

“JOY”of the World!|ロールモデル百花繚乱・12

八十路の“JOY”

著者: 服部祥子

ページ範囲:P.1536 - P.1539

 私は本年9月、満80歳の誕生日を迎え、八十路に入った。80年間にはいくつものturning pointがあったが(表1)、そのつど真剣に考え、進むべき道を自分で選んできた。人生はめまぐるしく忙しく、困難もあれば損失もあった。しかし、それ以上の豊かさと実りがあった。そして、何よりも面白かった。
 米国の詩人Robert Frost(1874〜1963)の「Miles to go before I sleep」という言葉のように、私も眠りにつくまでに、まだ幾ばくかの道のりを歩もう、と今素直に思っている。八十路の“JOY”を、女医であることの喜びと感謝をもって。

55歳からの家庭医療 Season 2|明日から地域で働く技術とエビデンス・36

—価値観の幅を拡張するトレーニング—SUB-CULTURE and FAMILY MEDICINE

著者: 藤沼康樹

ページ範囲:P.1548 - P.1552

サブカル作品という価値観の鏡
レジデント「…という感じで、ちょっと強めに患者さん・家族に迫って、入院を納得してもらおうと思います」
私「う〜ん。まあ、そのやり方もアリといえばアリだけど、ちょっと“ソレスタルビーイング”っぽすぎない?」

【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第9話

気持ちが読める医者

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.1554 - P.1559

前回までのあらすじ 今月のナゾ
 前回、黒野たちは他院から相談を受けた全身痛の患者、いや筧の先輩医師を救えなかった。時は戻らなかったのだ。一方、黒野のもう1つの異能が垣間見られた。
 今回からの新エピソードでは、西畑の地域研修先を黒野が訪れる。西畑が「黒野になんか似ている」と評した開業医・白川医師を訪ねるためだ。どうやら白川も異能をもつらしい。その能力とは? どのように黒野と似ているのか?
 白川医師は、地域の開業医だ。総合病院と開業医院では、扱う医療に差異がある。新エピソードでは、診療所ベースのジェネラリストに目を向けてみる。専門性を問わずそこに住む多様な患者を診るうちに、養われていくジェネラリズムが、地域にはある。彼ら無名の実地医家から、私たちは何を学べるだろう?

投稿 臨床研究

当院における画像診断報告書の確認不足事例(87例)の検討

著者: 境浩康 ,   熊田恵介 ,   佐野美佳 ,   丹羽隆 ,   飯原大稔 ,   富松英人 ,   今井健二 ,   村上啓雄 ,   清水雅仁

ページ範囲:P.1540 - P.1544

要約
▶目的:2017年度の画像診断報告書の振り返り調査を通して、潜在的な確認不足事例の実態を把握し、今後の防止策の整備に繋げることを目的とする。
▶方法:2017年度に当院で施行され、放射線診断専門医によって画像診断報告書が作成されたCT、MRI、PET-CT、RI検査(46,062件)のうち、報告書に「悪性」「がん」「腫瘤」「腫瘍」のいずれかの用語記載のある30,298件について振り返り調査を行った。
▶結果:振り返り調査の結果、全体の0.3%に相当する87件の潜在的な確認不足事例が明らかになった。確認不足の要因としては「未読」が56件(64%)と過半数を占め、「見落とし」は28件(32%)、「対応忘れ」は3件(3%)であった。また、診療部門別の発生件数としては、一般外来が36件(41%)、一般病棟が31件(36%)、救急外来が19件(22%)、集中治療室が1件(1%)であった。各部門ごとの確認不足要因の特徴としては、救急外来は全例が未読であり、一般外来では見落とし・対応忘れが53%、一般病棟では未読が61%と、それぞれ過半数を占めた。さらに確認不足事例の当事者は幅広い年代に確認された。
▶考察:院内で確認不足に至る要因は多岐に渡り、また、どの医師も当事者になりうることが示された。既読確認に加えて見落としや対応忘れに対する組織としての対策も重要と考えられた。

GM Clinical Pictures

数週間続く発熱のみで炎症反応陰性

著者: 岡本楓 ,   酒泉裕 ,   矢部正浩 ,   大原浩司 ,   佐藤晶

ページ範囲:P.1545 - P.1547

CASE
患者:80歳台、女性。主訴は発熱。
現病歴:急性発症の下痢、腹痛、発熱で救急搬送され、他院に入院して感染性胃腸炎と診断された。抗菌薬レボフロキサシン点滴静注6日間の投与で自覚症状は消失した。入院直後の一過性の記憶障害あり。1週間後に再び発熱し、発症2週間後に当院に転院。動物接触歴なし。
既往歴:糖尿病、糖尿病網膜症。
身体所見:体温38.8℃、血圧134/90mmHg、脈拍数86回/分、SpO2 99%(室内気)、一般身体診察に異常なし、GCS(Glasgow Coma Scale)E4V5M6、ADLに問題なし。
検査所見:WBC 4,520/μL、CRP 0.03mg/dL、ESR 26mm/hr、HbA1c 6.7%。その他に異常所見なし。
画像検査:経胸壁心エコーと胸腹骨盤下肢造影CTは異常なし。前医頭部単純MRI(図1)。

#総合診療

#今月の特集関連本❶

ページ範囲:P.1463 - P.1463

#今月の特集関連本❷

ページ範囲:P.1471 - P.1471

#今月の特集関連本❸

ページ範囲:P.1485 - P.1485

#今月の特集関連本❹

ページ範囲:P.1489 - P.1489

#今月の特集関連本❺

ページ範囲:P.1493 - P.1493

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.1535 - P.1535

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.1512 - P.1513

#参加者募集

ページ範囲:P.1513 - P.1513

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目次

ページ範囲:P.1438 - P.1439

『総合診療』編集方針

ページ範囲:P.1445 - P.1445

 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2018年1月  『総合診療』編集委員会

読者アンケート

ページ範囲:P.1515 - P.1515

『総合診療』バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.1560 - P.1561

お得な年間購読のご案内

ページ範囲:P.1561 - P.1562

次号予告

ページ範囲:P.1563 - P.1564

「総合診療」 第30巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え

32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?

32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!

32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

32巻5号(2022年5月発行)

特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況

32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?

32巻2号(2022年2月発行)

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

32巻1号(2022年1月発行)

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!

31巻9号(2021年9月発行)

特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?

31巻8号(2021年8月発行)

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。

31巻7号(2021年7月発行)

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー

31巻6号(2021年6月発行)

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

31巻5号(2021年5月発行)

特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで

31巻4号(2021年4月発行)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

31巻3号(2021年3月発行)

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。

31巻2号(2021年2月発行)

特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで

31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

30巻11号(2020年11月発行)

特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考

30巻10号(2020年10月発行)

特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ

30巻9号(2020年9月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】

30巻8号(2020年8月発行)

特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集

30巻7号(2020年7月発行)

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック

30巻6号(2020年6月発行)

特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!

30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

30巻3号(2020年3月発行)

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30巻2号(2020年2月発行)

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