総合診療30巻12号

2020年12月発行

特集 “ヤブ化”を防ぐ！—外来診療 基本の(き) Part 2 コモンディジーズに対する標準的診療

⓬カリウム異常

著者： 柴﨑俊一¹

所属機関： ¹ひたちなか総合病院内科

ページ範囲：P.1494 - P.1495

“ヤブ化”予防法
◦偽性高K血症を減らすために、正しい採血方法を見直す。
◦GFR＞15〜30の腎不全で、高K血症の原因を「腎不全だけ」と決め打ちしない。
◦高K血症の治療で、ポリスチレンスルホン酸Naを漫然と使用しない。

参考文献

1）Don BR, et al : Pseudohyperkalemia caused by fist clenching during phlebotomy. N Eng J Med 322（18） : 1290-1292, 1990. PMID 2325722〈クレンチングによる偽性高K血症についてのレポート〉

2）渡邉卓：適切な検体採取の重要性—採血を中心に．日内会誌 100（11） : 3168-3174, 2011.〈適切な検体採取をしないことによるデータの変化が詳しく紹介されている〉

3）藤井謙裕，他：食塩制限時の高K血症．奈医誌 43 : 29-33, 1992.〈意外に知られていない、急な塩分制限時の高K血症についての症例報告〉

4）Durfey N, et al : Severe hyperkalemia ; can the electrocardiogram risk stratify for short-term adverse events? West J Emerg Med 18（5） : 963-971, 2017. PMID 28874951〈高K血症の心電図変化のうち、有害事象に繋がるものへの解析〉

の大きなK低下効果と有害事象の少なさを示したRCT〉