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投稿 臨床研究
当院における画像診断報告書の確認不足事例(87例)の検討
著者: 境浩康12 熊田恵介1 佐野美佳1 丹羽隆1 飯原大稔1 富松英人3 今井健二2 村上啓雄1 清水雅仁12
所属機関: 1岐阜大学医学部附属病院 医療安全管理室 2岐阜大学医学部附属病院 消化器内科 3岐阜大学医学部附属病院 放射線科
ページ範囲:P.1540 - P.1544
文献購入ページに移動▶目的:2017年度の画像診断報告書の振り返り調査を通して、潜在的な確認不足事例の実態を把握し、今後の防止策の整備に繋げることを目的とする。
▶方法:2017年度に当院で施行され、放射線診断専門医によって画像診断報告書が作成されたCT、MRI、PET-CT、RI検査(46,062件)のうち、報告書に「悪性」「がん」「腫瘤」「腫瘍」のいずれかの用語記載のある30,298件について振り返り調査を行った。
▶結果:振り返り調査の結果、全体の0.3%に相当する87件の潜在的な確認不足事例が明らかになった。確認不足の要因としては「未読」が56件(64%)と過半数を占め、「見落とし」は28件(32%)、「対応忘れ」は3件(3%)であった。また、診療部門別の発生件数としては、一般外来が36件(41%)、一般病棟が31件(36%)、救急外来が19件(22%)、集中治療室が1件(1%)であった。各部門ごとの確認不足要因の特徴としては、救急外来は全例が未読であり、一般外来では見落とし・対応忘れが53%、一般病棟では未読が61%と、それぞれ過半数を占めた。さらに確認不足事例の当事者は幅広い年代に確認された。
▶考察:院内で確認不足に至る要因は多岐に渡り、また、どの医師も当事者になりうることが示された。既読確認に加えて見落としや対応忘れに対する組織としての対策も重要と考えられた。
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