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特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】 【神経疾患】
特殊な脳神経外科手術
著者: 貴島晴彦1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科
ページ範囲:P.207 - P.210
文献購入ページに移動難治てんかんの手術
Q1 受験を控えている高校3年生女子の患者さん。小学校6年生の頃に強直間代発作があり、側頭葉てんかんと診断され、抗てんかん薬を内服中です。発作は呼びかけに応じず数秒間ボーッとするようなもので、最近は強直間代発作はありません。時々前胸部不快感や吐き気があるようです。これまでは薬を変えてもらうと一時期発作が治ったり、少ししてまた出てきたりを数回繰り返しています。時々脳波をとりますが、異常があったりなかったりです。MRIはだいぶ前に撮影しましたが、少し右の海馬が小さいということを言われました。今後はどのようになっていきますか?
この患者さんの場合は、数種類の薬も試され、それでも発作が残存し、さらに右の海馬が小さいということですので、呼びかけに応じず数秒間ボーッとするような発作症状や、前胸部不快感のような前兆も併せて考えると、右海馬硬化症による内側側頭葉てんかんが最も疑われます。この場合は、手術による発作消失が期待できます1)。
Q1 受験を控えている高校3年生女子の患者さん。小学校6年生の頃に強直間代発作があり、側頭葉てんかんと診断され、抗てんかん薬を内服中です。発作は呼びかけに応じず数秒間ボーッとするようなもので、最近は強直間代発作はありません。時々前胸部不快感や吐き気があるようです。これまでは薬を変えてもらうと一時期発作が治ったり、少ししてまた出てきたりを数回繰り返しています。時々脳波をとりますが、異常があったりなかったりです。MRIはだいぶ前に撮影しましたが、少し右の海馬が小さいということを言われました。今後はどのようになっていきますか?
この患者さんの場合は、数種類の薬も試され、それでも発作が残存し、さらに右の海馬が小さいということですので、呼びかけに応じず数秒間ボーッとするような発作症状や、前胸部不快感のような前兆も併せて考えると、右海馬硬化症による内側側頭葉てんかんが最も疑われます。この場合は、手術による発作消失が期待できます1)。
参考文献
1)Wiebe, S. et al, Effectiveness and Efficiency of Surgery for Temporal Lobe Epilepsy Study Group : A randomized, controlled trial of surgery for temporal-lobe epilepsy. N Engl J Med 345(5) : 311-318, 2001. PMID 11484687
2)Rosenow F, et al, Surgical Task Force, et al : Cavernoma-related epilepsy ; review and recommendations for management--report of the surgical task force of the ILAE commission on therapeutic strategies. Epilepsia 54(12) : 2025-2035, 2013. PMID 24134485
3)Luyken, C. et al : The spectrum of long-term epilepsy-associated tumors ; long-term seizure and tumor outcome and neurosurgical aspects. Epilepsia 44(6) : 822-830, 2003. PMID 12790896
4)Benabid Al, et al : Combined (thalamotomy and stimulation) stereotactic surgery of the VIM thalamic nucleus for bilateral Parkinson disease. Appl Neurophysiol 50(1-6) : 344-346, 1987. PMID 3329873
5)Lukins TR, et al : The latest evidence on target selection in deep brain stimulation for Parkinson's disease. J Clin Neurosci 21(1) : 22-27, 2014. PMID 24210797
6)Liu, Y. et al : Meta-analysis comparing deep brain stimulation of the globus pallidus and subthalamic nucleus to treat advanced Parkinson disease. J Neurosurg 121(3) : 709-718, 2014. PMID 24905564
7)Kocabicak, E, et al : Deep brain stimulation of the subthalamic nucleus in Parkinson's disease ; surgical technique, tips, tricks and complications. Clin Neurol Neurosurg 115(11) : 2318-2323, 2013. PMID 24041965
8)Schuepbach WM, et al : Neurostimulation for Parkinson's disease with early motor complications. N Engl J Med 368(7) : 610-622, 2013. PMID 23406026
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