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文献詳細

雑誌文献

総合診療30巻2号

2020年02月発行

文献概要

投稿 臨床研究

紹介患者から検討した総合診療科の役割

著者: 若林崇雄1

所属機関: 1JCHO札幌北辰病院総合診療科

ページ範囲:P.256 - P.259

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要旨
▶目的:病院の総合診療科への紹介患者を集計・分析すること。
▶方法:2016年5月より2017年4月まで238床の急性期病院で調査した。紹介患者は、❶当日緊急に紹介、❷地域連携経由に予約紹介、❸院内他科より紹介の3パターンに分けた。診療分野や入院などについて調べた。
▶結果:紹介患者は453名(男性175名、女性278名)だった。紹介経由は当日が240名(53.0%)、地域連携経由が77名(17.0%)、他科が136名(30.0%)だった。院外紹介は診療所からの紹介が多かった(233名;73.5%)。患者は診断目的の紹介が大半を占めた(373名;82.3%)。患者の最終診断は内科9分野すべてに及び、外科・精神科疾患も混在していた。総合診療科入院は61名(13.5%)、他科紹介は119名(26.3%)だった。
▶考察:総合診療科は多分野に及ぶ初期診療を行い、院内他科からを含む当日の急な紹介によく対応していた。診療は他科と協力しつつ横断的な分野に及んでおり、入院増加や他科の患者増加にもつながっていた。

参考文献

1)小泉俊三:「病院総合医」の現状とその近未来像—日本型ホスピタリストは医療再生のカギとなるか.JIM 20(9) : 678-681, 2010.
2)福井次矢:厚生労働省「専門医の在り方検討委員会委員」の立場から.日内会誌101(12):3547-3552, 2012.
3)Macinko J, et al : Quantifying the health benefits of primary care physician supply in the United States. Int J Health Serv 37(1) : 111-126, 2007. PMID 17436988
4)大原昌樹:地域病院における総合診療医—地域包括ケアと総合診療医.Pharma Medica 31(8) : 27-30, 2013.
5)箕輪良行:総合診療医が担う救急医療.病院75(10) : 777-782, 2016.
6)徳田安春:日本型ホスピタリストモデルの構築に向けて—水戸モデル—完全型Department of Medicine確立のすすめ.日本プライマリ・ケア連合学会誌35(2) : 137-139, 2012.
7)川島篤志:日本型ホスピタリストモデルの構築に向けて—中小病院モデル.日本プライマリ・ケア連合学会誌35(2) : 140-142, 2012.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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