文献詳細
特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール
【各論】
—❺Vital is vital !—「バイタルサイン」をあきらめないで
著者: 上村克徳1
所属機関: 1兵庫県立こども病院 救急総合診療科
ページ範囲:P.299 - P.303
文献概要
ウイルス性胃腸炎により「体液量減少(脱水症)」を呈した一例
患者:8カ月、男児。病前体重不詳。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現病歴:3日前から黄白色水様下痢が出現し、徐々に増悪した。受診前日に、オムツからはみ出るような水様便が1日6回みられた。ぐったり感が強く顔色が蒼白となり、経口摂取困難となったため、救急外来を受診した。
不機嫌であやしても泣きやまず、流涙は欠如。体温37.2℃、呼吸数60回/分、脈拍数188回/分、血圧72/50mmHg、SpO2 99%(室内気)。末梢の冷感が強く、毛細血管再充満時間(CRT)3秒。口唇・口腔粘膜は乾燥している。「重度脱水症」と判断し、細胞外液製剤による経静脈輸液を実施する方針とした。
参考文献
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