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特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール 【各論】
—❿こんな時は診たらアカンで!?—小児科への「紹介基準」
著者: 児玉和彦1
所属機関: 1医療法人明雅会 こだま小児科
ページ範囲:P.324 - P.329
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紹介する?しない?
❶「臀部をアイロンでやけどした」と乳児が受診した。
❷「ボタン電池を飲み込んだ」と乳児が受診したが、自施設ではX線撮影ができない。
❸普段は小児診療をしていないが、「ついでにこどもの発熱も診てください」とお願いされた。
❹幼児の高熱が4日続き、結膜炎があり、リンパ節が腫れている気がする。アデノウイルス迅速検査は陰性だったが、偽陰性ではないかと思っている。
❺風邪で受診した1歳半のこどもが歩行できないことを、親から相談された。
❻嘔吐を主訴に受診した幼児の親が「なんか変だと思うので、小児科に紹介してください」と言っている。
❼こどもの脱水症で点滴治療が必要である。土曜日診療で、現在正午である。
紹介する?しない?
❶「臀部をアイロンでやけどした」と乳児が受診した。
❷「ボタン電池を飲み込んだ」と乳児が受診したが、自施設ではX線撮影ができない。
❸普段は小児診療をしていないが、「ついでにこどもの発熱も診てください」とお願いされた。
❹幼児の高熱が4日続き、結膜炎があり、リンパ節が腫れている気がする。アデノウイルス迅速検査は陰性だったが、偽陰性ではないかと思っている。
❺風邪で受診した1歳半のこどもが歩行できないことを、親から相談された。
❻嘔吐を主訴に受診した幼児の親が「なんか変だと思うので、小児科に紹介してください」と言っている。
❼こどもの脱水症で点滴治療が必要である。土曜日診療で、現在正午である。
参考文献
1)日本小児腎臓病学会:小児の検尿マニュアル—学校検尿・3歳児検尿にかかわるすべての人のために.p21,診断と治療社,2015. 〈検尿異常の精査は、日本の小児科診療からは外せない項目であり必読〉
2)同上p34
3)日本小児アレルギー学会:食物アレルギー診療ガイドライン2016<2018年改訂版>.p83,協和企画,2018. 〈食物アレルギーの頻度は高く、診療での誤りも起こりやすい。p.335〉
4)同上p82
5)日本小児呼吸器疾患学会,日本小児感染症学会:小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017.p48,協和企画,2016. 〈コモンな感染症の一般的な解説と推奨処方が書かれており必読〉
6)日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017〈2019年改訂版〉.p150,協和企画,2019. 〈気管支喘息も小児で頻度が高いが、不必要な治療を避けるため必読。p.335〉
7)日本小児救急医学会:小児急性胃腸炎診療ガイドライン.エビデンスに基づいた子供の腹部救急診療ガイドライン2017.p17,2017. 〈胃腸炎に対する根拠ある対応をわかりやすく解説している〉
8)日本小児救急医学会:エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン.p34,へるす出版,2012.http://www.convention-axcess.com/jsep/doc/guideline/20121017_Guideline.pdf 〈腸重積は胃腸炎と誤診しやすい。一読をお勧めする〉
9)日本耳科学会,日本小児耳鼻咽喉科学会,他:小児急性中耳炎診療ガイドライン 2018年版.p64,金原出版,2018.https://www.otology.gr.jp/common/pdf/guideline_otitis2018.pdf 〈重症度診断や抗菌薬の推奨などで、米国の推奨とは隔たりも大きい〉
10)同上p73
11)日本耳科学会,日本小児耳鼻咽喉科学会(編):小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2015年版.p48,金原出版,2015.https://www.otology.gr.jp/common/pdf/guideline_otitis2015.pdf 〈滲出性中耳炎は、聴力低下から言語発達に影響が出ることがあるので注意したい〉
12)日本形成外科学会,日本創傷外科学会,日本頭蓋顎顔面外科学会(編):形成外科診療ガイドライン7—体幹・四肢疾患.p87,金原出版,2015. http://www.jsprs.or.jp/member/committee/module/21/pdf/keiseigeka7.pdf 〈臍ヘルニア以外に、漏斗胸についても記載あり〉
13)三村秀文,他;「難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および 関連疾患についての調査研究」班:血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン 2017.平成26-28年度厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業),p129, 2017. https://www.marianna-u.ac.jp/va/guidline.html 〈血管腫の相談は意外と多いので参考になる〉
14)日本小児神経学会:熱性けいれん診療ガイドライン 2015.p28-30,診断と治療社,2015. https://www.childneuro.jp/modules/about/index.php?content_id=33 〈熱性けいれんは小児のコモンディジーズ。これを読まずに小児診療はしてはアカンで!p.335〉
15)日本夜尿症学会:夜尿症診療ガイドライン2016.pxv,診断と治療社,2016. http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/nocturnal-enuresis/nocturnal-enuresis.pdf 〈夜尿症の治療フローチャートだけでもみておきたい〉
16)日本小児栄養消化器肝臓学会,日本小児消化管機能研究会:小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン.p33,診断と治療社,2013. http://www.jspghan.org/constipation/files/guideline.pdf 〈便秘はあなどれない。正確に診断治療できるように〉
17)日本小児心身医学会:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン(改訂版)一般外来向け.子どもの心とからだ 23(4) : 408-444, 2015. 〈起立性調節障害は“怠け病”ではないので、適切な治療をしましょう〉
18)厚生労働省 健康局結核感染症課:抗微生物薬適正使用の手引き 第二版.2019. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000573655.pdf 〈風邪とその周辺疾患への解説。第二版が出た〉
19)DeGeorge KC, et al:Treatment of the common cold. Am Fam Physician 100(5) : 281-289, 2019. PMID 31478634 〈風邪の治療の総説。抗菌薬や咳止め、鼻うがいについての推奨あり〉
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