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アレンドロン酸による食道壁内血腫
著者: 齊尾武郎1 二川真子2
所属機関: 1フジ虎ノ門整形外科病院内科・精神科 2恵寿総合病院家庭医療科
ページ範囲:P.500 - P.501
文献購入ページに移動本誌2019年11月号特集内の掲載論文「突然の胸痛と嚥下障害」1)(以下、二川論文)につき、疑問を感じたので以下に詳述する。
二川論文で提示された症例(以下、本症例)は、論文中では特発性食道粘膜下血腫と診断されているが、ここで留意すべきは内服薬としてアレンドロン酸35mg/週が投与されていることである。添付文書によれば、アレンドロン酸は「重要な基本的注意」として、「本剤は咽喉頭、食道等の粘膜に対し局所刺激症状を引き起こすおそれがある。特に適切に服用しない患者では、食道、口腔内に重度の副作用が発現する可能性があるので、服用法について患者を十分指導し、理解させること」とあり2)、本症例は特発性ではなく、アレンドロン酸の副作用により、食道粘膜下血腫をきたしたものと考えるほうが自然だと考える。
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