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文献詳細

雑誌文献

総合診療30巻4号

2020年04月発行

文献概要

投稿 Correspondence

アレンドロン酸による食道壁内血腫

著者: 齊尾武郎1 二川真子2

所属機関: 1フジ虎ノ門整形外科病院内科・精神科 2恵寿総合病院家庭医療科

ページ範囲:P.500 - P.501

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TO THE EDITOR
 本誌2019年11月号特集内の掲載論文「突然の胸痛と嚥下障害」1)(以下、二川論文)につき、疑問を感じたので以下に詳述する。
 二川論文で提示された症例(以下、本症例)は、論文中では特発性食道粘膜下血腫と診断されているが、ここで留意すべきは内服薬としてアレンドロン酸35mg/週が投与されていることである。添付文書によれば、アレンドロン酸は「重要な基本的注意」として、「本剤は咽喉頭、食道等の粘膜に対し局所刺激症状を引き起こすおそれがある。特に適切に服用しない患者では、食道、口腔内に重度の副作用が発現する可能性があるので、服用法について患者を十分指導し、理解させること」とあり2)、本症例は特発性ではなく、アレンドロン酸の副作用により、食道粘膜下血腫をきたしたものと考えるほうが自然だと考える。

参考文献

1)二川真子:突然の胸痛と嚥下障害.総合診療 29(11) : 1323-1324, 2019.
35mg 添付文書. 2019年5 月改訂(第1 版),MSD株式会社
3)Juniarta PM, et al : Drug-induced esophagitis. The Indonesian Journal of Gastroenterology, Hepatology and Digestive Endoscopy 20(2) : 104-110, 2019.
4)Munigoti S, et al : A rare complication with a single dose of alendronate. BMJ Case Rep pii : bcr0220102738, 2010. PMID 22778283
5)Strowd RE, et al : Intramural hematoma of the esophagus presenting as chest pain. J Hosp Med 5(7) : 421-423, 2010. PMID 20652964

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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