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文献詳細

雑誌文献

総合診療30巻5号

2020年05月発行

文献概要

What's your diagnosis?[209]

機関車トーマス ダンカンに会いに行く

著者: 杉本雪乃1 重原良平1 藤本卓司1

所属機関: 1社会医療法人同仁会 耳原総合病院 救急総合診療科

ページ範囲:P.512 - P.515

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病歴
患者:74歳、男性
主訴:咳嗽
 6年前に直腸がんと肝転移に対して外科的切除、ラジオ波焼灼術、抗がん薬治療を施行。4年前にS状結腸がんに対して外科的切除。その後、肝臓への局所再発を繰り返し、ラジオ波焼灼術を計5回施行。5カ月前から咳嗽と黄色の喀痰が出現し、肺炎の診断で2カ月間他院に入院。その間、炎症反応の上昇を繰り返し、計5回、5〜17日間の抗菌薬治療が行われた。退院後も、当院外科で肺炎に対して断続的に抗菌薬投与を行っていたが、咳嗽・黄色の喀痰が持続した。経過中に肝転移再発を認め、2カ月前より抗がん薬投与。外科の定期受診時に肺炎像の悪化があり、当科に紹介、入院となった。
ROS陰性:発熱、寝汗、食欲低下、疲労感、体重減少/増加、呼吸困難
既往歴:COPD、高血圧症、虚血性心疾患、直腸がん、S状結腸がん、多発肝転移
常用薬:アムロジピンベシル酸塩錠5mg、ニルパジピン2mg、ツロブテロール貼付剤2mg、ジヒドロコデインリン酸3g
生活歴:喫煙は20本/日×40年、63歳で禁煙。飲酒は日本酒1合/日。海外渡航歴なし。

参考文献

1)Guan-Qun Liao, et al : Management of acquired bronchobiliary fistula ; a systematic literature review of 68 cases published in 30 years. World J Gastroenterol 17(33) : 3842-3849, 2011 PMID 21987628 〈気管支胆管瘻68症例のレビュー〉
2)宮川周士,他:転移性肝腫瘍に対する肝動脈塞栓術により生じた気管支胆管瘻の1例.日臨外医会誌46(8) : 1120-1127, 1985. 〈気管支胆管瘻の発生機序と48症例のまとめ〉
3)Dok Hyun Yoon, et al : Percutaneous management of a bronchobiliary fistula after radiofrequency ablation in a patient with hepatocellular carcinoma. Korean J Radiol 10(4) : 411-415, 2009. PMID 19568472 〈ラジオ波焼灼術後の気管支胆管瘻の症例報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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