総合診療30巻5号

2020年05月発行

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文 【臨床編】

総合診療｜知ってるつもりが何も知らなかった！—Semmelweisの偉業と世界初の臨床試験

著者： 名郷直樹¹

所属機関： ¹武蔵国分寺公園クリニック

ページ範囲：P.536 - P.539

❶激アツ論文との出会い
　Ignaz Semmelweis（ハンガリー、1818〜1865）との最初の出会いは、学生の時の外科学総論での授業のことだったと思う。いや、外科学総論の試験の過去問に出ていたのかもしれない。「手洗い」で産褥熱を減らした医者として、石炭酸の消毒で手術成績を劇的に改善したJoseph Lister（英、1827〜1912）とともに、記憶の片隅にあるという程度であった。

参考文献

1）船橋市立医療センター 医療安全管理室：ゼンメルワイスの物語．6「目に見えるリスクマネジメント」:具体的な戦略と作戦7，院内感染対策． https://www.mmc.funabashi.chiba.jp/safety/files/6_7.pdf（2020年4月6日閲覧）

2）Loudon I：Ignaz Phillip Semmelweis' studies of death in childbirth. J R Soc Med 106（11） : 461-463, 2013. PMID 24158918

3）Semmelweis IP. 1861/Cater KC （訳）：The Etiology, Concept, and Prophylaxis of Childbed Fever. University of Wisconsin Press, 1983. 〈Murphy FP（訳）：The Etiology, Concept, and Prophylaxis of Childbed Fever Medical Classics 5/5, 1941もある〉

4）Céline LF. 1936／菅谷暁 （訳）：ゼンメルヴァイスの生涯と業績・ゾラを讃える（自家発電叢書）．無量寿＋倒語社，1981.

5）Thorwals J. 1956/大野和基（訳）：外科の夜明け—防腐法 絶対死からの解放（地球人ライブラリー）．小学館，1994.