文献詳細
文献概要
特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること! 【総論】
❷下降期慢性疾患患者のセルフケアと支援
著者: 谷本真理子1
所属機関: 1東京医療保健大学医療保健学部看護学科
ページ範囲:P.660 - P.665
文献購入ページに移動なぜ、下降期慢性疾患患者に注目したか?
20年以上も前の話である。長く慢性疾患を病んで亡くなる患者に、最後まで侵襲の強い治療がなされたり、「自己管理不良」といわれたり、医師・看護師が患者の医療ケアにやりがいをもてず、患者の不満そうな表情や諦め感が漂う雰囲気に、筆者は疑問を感じていた。当時、「終末期ケア」といえば、がん患者の終末期ケアのことであり、教科書にも参考書にも、慢性疾患患者の終末期ケアについての記載は見当たらなかった。
今後、増加が見込まれるがん以外の慢性疾患患者のケアについて明らかにする必要があると感じ、この時期の患者を「下降期慢性疾患患者」と称して、ケアの研究をすることにした(“下降期”という言葉は、CorbinとStraussによる病みの軌跡理論1,2)を多いに参考にしている)。
20年以上も前の話である。長く慢性疾患を病んで亡くなる患者に、最後まで侵襲の強い治療がなされたり、「自己管理不良」といわれたり、医師・看護師が患者の医療ケアにやりがいをもてず、患者の不満そうな表情や諦め感が漂う雰囲気に、筆者は疑問を感じていた。当時、「終末期ケア」といえば、がん患者の終末期ケアのことであり、教科書にも参考書にも、慢性疾患患者の終末期ケアについての記載は見当たらなかった。
今後、増加が見込まれるがん以外の慢性疾患患者のケアについて明らかにする必要があると感じ、この時期の患者を「下降期慢性疾患患者」と称して、ケアの研究をすることにした(“下降期”という言葉は、CorbinとStraussによる病みの軌跡理論1,2)を多いに参考にしている)。
参考文献
1)Strauss AL, et al. 1975/南裕子,他(訳):慢性疾患を生きる—ケアとクオリティ・ライフの接点.医学書院,1987. 〈慢性性に病を持つ患者に対するインタビューに基づく病みの軌跡理論の原典〉
2)Woog P (編).1992/黒江ゆり子,他(訳): 慢性疾患の病みの軌跡—コービンとストラウスによる看護モデル.p.13,医学書院,1995. 〈CorbinとStraussの病みの軌跡理論に基づく看護モデル〉
3)Orem DE, et al 2001/小野寺杜紀(訳):オレム看護論—看護実践における基本概念(第4版).医学書院,2005. 〈セルフケアの考え方を基軸とした看護理論〉
4)山浦晴男:質的統合法入門—考え方と手順.医学書院,2012. 〈質的統合法(KJ法)の考え方、方法が詳述されている〉
5)谷本真理子:エンドオブライフを生きる下降期慢性疾患患者のセルフケアのありよう—ケアを導く患者理解の視点抽出の試み.千葉看護学会誌18(2) : 9-16, 2012. 〈下降期慢性疾患患者のセルフケアのありようを示し、ケアの見極めについて考察している〉
6)谷本真理子:慢性病下降期を生きる人々のセルフケアの意味に着目して支援する看護援助.千葉看護学会誌12(2) : 1-7, 2006. 〈下降期慢性疾患患者の看護ケアについて、実践データから分析されている〉
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