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文献概要
特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること! 【外来と在宅で診ている下降期慢性疾患】 3.進行した慢性腎臓病
❷血液透析療法の適応の考え方
著者: 三浦靖彦1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部
ページ範囲:P.702 - P.705
文献購入ページに移動透析療法は臨床倫理の原型である
侵襲性のある医療行為を実施するうえでの、患者の同意(インフォームド・コンセント)の取得の必要性については、誰もが納得するであろう。では、「患者が拒否している医療行為を、患者の意に反して強引に行うことは可能か?」と問われれば、これは、虐待行為にも該当するであろうことから、いかに高名な医師でも、強引に、これを行うことはできないであろう。その観点から考えれば、血液透析のように侵襲を伴う医療行為には、患者の同意が必須であることは論を待たない。では、患者が透析医療を拒否している場合に、どうしたらよいであろうか?
侵襲性のある医療行為を実施するうえでの、患者の同意(インフォームド・コンセント)の取得の必要性については、誰もが納得するであろう。では、「患者が拒否している医療行為を、患者の意に反して強引に行うことは可能か?」と問われれば、これは、虐待行為にも該当するであろうことから、いかに高名な医師でも、強引に、これを行うことはできないであろう。その観点から考えれば、血液透析のように侵襲を伴う医療行為には、患者の同意が必須であることは論を待たない。では、患者が透析医療を拒否している場合に、どうしたらよいであろうか?
参考文献
1)川口良人,他:透析導入ガイドラインの策定と追跡調査に関する研究.平成4年度厚生科学研究;腎不全医療研究事業報告書,pp156-164,国立佐倉病院,1993.
2)日本透析医学会:維持血液透析ガイドライン;血液透析導入.透析会誌46(12) : 1107-1155, 2013.
3)三浦靖彦,他:探索的グループ・インタビューによる透析医の尊厳死,advance directiveに対する意識調査.透析会誌31(8) : 1221-1225, 1998.
4)Grisso T, et al. 1998/北村總子,他(訳):治療に同意する能力を測定する—医療・看護・介護・福祉のためのガイドライン.日本評論社,2000.
5)三浦靖彦,他:透析療法の社会・経済的側面. JJNスペシャル62 : 35-37,医学書院,1999.
6)清水哲郎(監),会田薫子(編),大賀由花,他(著):高齢者ケアと血液透析を考える—本人・家族のための意思決定プロセスノート.pp2-15,医学と看護社,2015.
7)日本透析医学会血液透析療法ガイドライン作成ワーキンググループ,他:維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言.透析会誌47(5):269-285, 2014.
8)透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言作成委員会:透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言.透析会誌53(4):173-217, 2020.
9)三浦靖彦:慢性疾患にかかわる臨床倫理—慢性腎不全診療における倫理的問題点.臨床倫理6 : 80-83, 2018.
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