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文献概要
特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること! 【外来と在宅で診ている下降期慢性疾患】 3.進行した慢性腎臓病
❸CKDの診察のポイント—身体診察と検査のフォローアップ
著者: 志水英明1
所属機関: 1社会医療法人 宏潤会 大同病院 腎臓内科
ページ範囲:P.706 - P.709
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◦病歴・既往歴・家族歴
CKD(慢性腎臓病)の原因疾患を推測するのに、病歴・既往歴・家族歴が有用である。高齢患者で長年の高血圧治療歴がある場合は腎硬化症が、また糖尿病があり網膜症の治療歴がある場合には糖尿病性腎症が、家族歴に透析や多発性囊胞腎の病歴がある場合は多発性囊胞腎などの遺伝性疾患が疑われる。日本の透析導入原因は、糖尿病性腎症(約40%)、慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順である。
◦病歴・既往歴・家族歴
CKD(慢性腎臓病)の原因疾患を推測するのに、病歴・既往歴・家族歴が有用である。高齢患者で長年の高血圧治療歴がある場合は腎硬化症が、また糖尿病があり網膜症の治療歴がある場合には糖尿病性腎症が、家族歴に透析や多発性囊胞腎の病歴がある場合は多発性囊胞腎などの遺伝性疾患が疑われる。日本の透析導入原因は、糖尿病性腎症(約40%)、慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順である。
参考文献
1)谷澤雅彦:みんなが知っておきたい透析診療 透析のキホンと患者の診かた—透析についての基本事項 透析導入の適応は? Medicina 56(9):1372-1376, 2019. 〈透析導入の考え方が記載されていて、非専門医向けの透析に関する内容がまとめられている〉
2)中山昌明:腎代替療法選択の説明方法の工夫.山縣邦弘(編),他:腎疾患・透析最新の治療2020-2022. pp. 267-270,南江堂,2020. 〈意思決定プロセス方法について記載あり、他項では透析導入と非導入の考え方も記載あり〉
3)河合真:身体所見でわかる急性腎障害 これはおさえておきたい!—腎障害の神経所見ジン(腎)かシン(神経)か,それが問題だ.レジデントノート14(18):3427-3432, 2013. 〈腎障害の神経所見が詳しく記載されている〉
4)松村 正巳:手を見て気づく内科疾患(Case 1)—ボー線,重篤な病態の証拠.Medicina 46(1):3, 2009. 〈爪の写真が記載されている〉
5)Martins JM, et al : Uremic frost in end-stage renal disease. N Engl J Med 379(7) : 669, 2018. PMID 30110582 〈uremic frostの画像あり〉
6)一般社団法人 日本透析医学会:維持血液透析ガイドライン—血液透析導入.日本透析医学会雑誌 46(12):1107-1155, 2013. 〈日本透析医学会のホームページから無料でアクセス可能〉
7)日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド2012.東京医学社,2012. 〈日本腎臓学会のホームページから無料でアクセス可能。最新ではないが、主な薬剤の調整量の記載あり〉
8)Rennke HG, et al. 2009/黒川清(監),和田健(監訳),他:体液異常と腎臓の病態生理,第3版.メディカル・サイエンス・インターナショナル,2015. 〈腎臓の病態生理や、電解質について詳しく記載されている〉
9)日本腎臓学会(編):エビデンスに基づくCKDガイドライン2018.東京医学社,2018.
10)Sakaguchi Y, et al : Magnesium modifies the association between serum phosphate and the risk of progression to end-stage kidney disease in patients with non-diabetic chronic kidney disease. Kidney Int 88(4) : 833-842, 2015. PMID 26061542 〈大阪大学腎臓内科のホームページに、日本語の要約あり〉
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