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特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること! 【外来と在宅で診ている下降期慢性疾患】 3.進行した慢性腎臓病
❺透析療法をしない場合の症状への対応—浮腫、食思不振等
著者: 辻憲二1 喜多村真治1 和田淳1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学
ページ範囲:P.714 - P.716
文献購入ページに移動末期腎不全に至った場合に、透析治療を選択するか、あるいは透析非導入を選択して人生の最終段階を迎えるかの決定は、患者のみならず、家族の人生をも左右する重要なものである。日本透析医学会は、2007年に厚生労働省より公表された「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を基に、2014年に「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」を公表している1)。
さらに2018年に厚生労働省より「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が公表され、協働意思決定(shared decision making:以下SDM)および人生会議やACP(advanced care planning)の重要性が指摘されたことを受け、日本透析医学会は提言作成委員会を立ち上げ、新たな提言を令和2年3月に作成予定としている。SDMは医療者と患者が協働して、患者にとって最善の医療上の決定をするに至るコミュニケーションのプロセスである。ACPは今後の治療およびケアについて患者・家族と医療従事者が繰り返し話し合いを行い、患者の意思決定を支援するプロセスである(本特集内p.731の川口論文参照)。
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