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特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック 【Ⅰ章】 ME/CFSを極める!—“病像”をつかむ
コラム❹小児ME/CFS
著者: 田島世貴1
所属機関: 1国立障害者リハビリテーションセンター病院 小児科
ページ範囲:P.835 - P.838
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睡眠不足を契機に小児ME/CFSをきたした一例
患者:小学6年生、女児
家族歴:母親が中学生の頃、起立性調節障害
現病歴:幼少期には、生育歴・病歴ともに特記事項なし。小学4年生から進学塾に通い、次第に入眠が遅くなっていた。5年生からは次第に起床困難感が強くなっていたが、起床できていたため、特に何もせず経過をみられていた。6年生からは週に5日間塾に通っており、うち4日間は平日のため帰宅が22時、入眠が0時の生活が続いていた。
7月頃から、起床直後〜日中にわたる激しい頭痛が出現。8月頃から、眠気がこないために2〜3時にようやく入眠、12時前後に目が覚めるようになり、登校困難となった。日中のたちくらみや倦怠感、起床後の腹痛なども頻繁に生じるようになった。
治療:睡眠状態の改善のために「睡眠衛生指導」と、「メラトニン」「選択的α2アドレナリン受容体作動薬」の内服治療を行い、他者の視線が怖いために学校復帰が難しいことに対して「抗うつ薬」での内服治療を行ったところ、ゆっくりではあったが症状が改善し、高校は通信制高校を卒業。大学は通常の進学が可能なまでに回復した。
睡眠不足を契機に小児ME/CFSをきたした一例
患者:小学6年生、女児
家族歴:母親が中学生の頃、起立性調節障害
現病歴:幼少期には、生育歴・病歴ともに特記事項なし。小学4年生から進学塾に通い、次第に入眠が遅くなっていた。5年生からは次第に起床困難感が強くなっていたが、起床できていたため、特に何もせず経過をみられていた。6年生からは週に5日間塾に通っており、うち4日間は平日のため帰宅が22時、入眠が0時の生活が続いていた。
7月頃から、起床直後〜日中にわたる激しい頭痛が出現。8月頃から、眠気がこないために2〜3時にようやく入眠、12時前後に目が覚めるようになり、登校困難となった。日中のたちくらみや倦怠感、起床後の腹痛なども頻繁に生じるようになった。
治療:睡眠状態の改善のために「睡眠衛生指導」と、「メラトニン」「選択的α2アドレナリン受容体作動薬」の内服治療を行い、他者の視線が怖いために学校復帰が難しいことに対して「抗うつ薬」での内服治療を行ったところ、ゆっくりではあったが症状が改善し、高校は通信制高校を卒業。大学は通常の進学が可能なまでに回復した。
参考文献
1)Rowe PC, et al : Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome Diagnosis and Management in Young People ; A Primer. Front Pediatr 5 : 121, 2017. PMID 28674681 〈小児ME/CFSの総説で、病態・疫学・治療などが網羅的にレビューされている〉
2)Miike T, et al : Learning and memorization impairment in childhood chronic fatigue syndrome manifesting as school phobia in Japan. Brain Dev 26(7) : 442-447, 2004. PMID 15351079 〈睡眠不足から生じる身体機能異常が、小児ME/CFSにつながることを示した〉
3)Jason LA, et al : A Pediatric Case Definition for Myalgic Encephalomyelitis and Chronic Fatigue Syndrome. J Chronic Fatigue Syndrome 13(2) : 1-44, 2006. 〈国際ワーキングチームによる小児ME/CFSの臨床診断基準〉
4)田島世貴:不登校と睡眠障害・小児慢性疲労症候群.兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センター(編):いま、小児科医に必要な実践臨床小児睡眠医学.pp41-48,診断と治療社,2015. 〈本邦の研究成果を交えた病態仮説、診断基準・診断のピットフォール、治療について記述〉
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