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文献詳細

雑誌文献

総合診療30巻7号

2020年07月発行

文献概要

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック 【Ⅱ章】 ME/CFSミミックス—「疲労・倦怠感」を主訴に受診する患者さんたち

【睡眠障害・精神疾患】睡眠習慣や就業・就学スケジュールの確認、抑うつの確認、処方薬の見直しが必要

著者: 田ヶ谷浩邦12 村瀬華子1 深瀬裕子1 市倉加奈子1

所属機関: 1北里大学医療衛生学部健康科学科 2北里大学病院精神神経科

ページ範囲:P.857 - P.860

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Case1
閉塞性睡眠時無呼吸と向精神薬により倦怠・疲労感を呈した一例
患者:49歳、男性
家族歴:特記事項なし
現病歴・経過:10年ほど前から、睡眠中の呼吸停止を妻が指摘していた。もともと、身体の不調や、対人関係に不安を抱きやすく、業務上でのミスをきっかけとして、疲労・倦怠感、不安発作、意欲低下、熟眠感欠如が出現し、X-3年に当院精神科を受診した。向精神薬により不安発作は軽減したが、倦怠・疲労感、意欲低下、熟眠感欠如の訴えが持続し、抗うつ薬1剤、抗不安薬2剤、中間型睡眠薬2剤などの処方を受けていた。
 妻からの睡眠中の呼吸停止の情報に基づいて、在宅で「簡易睡眠ポリグラフィ」を施行したところ、AHI(無呼吸低呼吸指数)45.3、3%ODI(酸素飽和度低下指数)42.0と、重症の「閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)」が認められたため、経鼻持続陽圧呼吸療法を導入した。熟眠感欠如は軽減したが、倦怠・疲労感は残存したため、睡眠薬と抗不安薬を漸減・置換したところ、倦怠・疲労感も軽減。超短時間型睡眠薬1剤、抗うつ薬1剤で安定している。

参考文献

1)Williams RL : Electroencephalography(EEG)of Human Sleep ; Clinical applications(a Willey biomedical-health publication). Wiley, New Jersey, 1974. 〈睡眠脳波研究の古典〉
2)総務省統計局:平成28年社会生活基本調査.https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/index.html(2020年6月8日現在)
3)American Academy of Sleep Medicine, 2014/日本睡眠学会診断分類委員会(訳):睡眠障害国際分類 第3版.ライフサイエンス,2018. 〈国際的に用いられている睡眠障害の分類と診断基準最新版〉
4)American Psychiatric Association, 2013/日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,他(監訳):DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014. 〈国際的に用いられている精神疾患の分類と診断基準最新版〉
5)First MB, et al. 1997/髙橋三郎(監修),北村俊則,他(訳):精神科診断面接マニュアル(SCID)第2版.日本評論社,2010. 〈DSM-IVの診断のための構造化面接マニュアル、DSM-5に対応した翻訳の刊行が待たれる〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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