総合診療30巻7号

2020年07月発行

【臨床小説】後悔しない医者｜あの日できなかった決断・第4話

高揚する医者

著者： 國松淳和¹

所属機関： ¹医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科

ページ範囲：P.906 - P.911

前回までのあらすじ　今月のナゾ
　患者に触れようとせず、独特の診療をする内科医・黒野。前回まで3話にわたってお送りしたエピソード（4〜6月号）では、研修医と筧が見逃していた病態を、黒野が患者を「みる」ことなく見抜き、急性増悪する寸前に介入して“新たな未来”をつくったストーリーが描かれた。
　今回からの新エピソードでは、黒野のどんな能力が発揮されるのか。黒野には何が見えているのか？　本来取り戻せないはずの運命は変えられるのか…。
　本エピソードから登場する栗塚は、病歴聴取や身体診察を叩き込まれた超優秀な後期研修医だ。実際、そつなく診断推論を進めていくが、何か足りない気がしている。その「何か」とは？彼とのやりとりを通じて学びとれることは…？

参考文献

1）Manian FA, et al：Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 11-2015. A 28-year-old woman with headache, fever, and a rash. N Engl J Med 372（15） : 1454-1462, 2015. PMID 25853750

2）Kunimatsu J, Yoshizawa A：Staphylococcal septic emboli in an injection drug user. Intern Med 52（14） : 1659, 2013. PMID 23857107

3）久保健児，他：電撃性紫斑病の臨床的検討—本邦における原因菌の特徴を含めて．感染症誌83（6）：639-646, 2009.