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文献詳細

雑誌文献

総合診療30巻8号

2020年08月発行

文献概要

What's your diagnosis?[212]

効かないなんて変だぞー

著者: 藤田将平1 金森真紀1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院 総合内科

ページ範囲:P.920 - P.923

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病歴
患者:70歳、女性
現病歴:4カ月前から発熱が出現。3カ月前から頻度が増えたため前医受診し、好酸球増多を指摘され、被疑薬のアムロジピンを中止したが熱は続いた。2カ月前に前医CTで肝臓に多発低吸収域を認めた。寄生虫抗体検査(表1)からブタ回虫を疑い、アルベンダゾールが投与されたが改善しないため、当院を受診された。
ROS陰性:寒気、盗汗、頭痛、咽頭痛、咳嗽、悪心・嘔吐、腹痛、下痢、光線過敏、口内炎、Raynaud現象、筋肉痛、しびれ、関節痛
既往歴:狭心症
内服歴:カンデサルタン、アスピリン、アトルバスタチン、アムロジピン(3カ月前に中止)、フェキソフェナジン。サプリメント・漢方薬なし
生活歴:喫煙歴なし。機会飲酒
社会歴:日本海側の田園部に住む専業主婦。雑種犬を飼育。海外・沖縄・奄美への渡航なし。家庭菜園でレタスなどを育て、食べている。10年前から夫が獲ってきた野生のイノシシを加熱して食べていたが、1年前から食していない。川魚・カニ・生レバー・生肉の喫食歴なし

参考文献

1)肝蛭症患者の造影CT http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/parasitology/parasitic%20diseases/fasciola.jp.html
2)Villegas F, et al : Administration of triclabendazole is safe and effective in controlling eascioliasis in an endemic community of the bolivian altiplano. PLoS Negl Trop Dis 6(8) : e1720, 2012. PMID 22880138
3)Sanliago Mas Coma, et al : Chapter 2. fasciola, lymnaeids and human fascioliasis, with a global overview on disease transmission, epidemiology, evolutionary genetics, molecular epidemiology and control. Adv Parasitol 69 : 41-146, 2009. PMID 19622408
4)熱帯病治療薬研究班:寄生虫症薬物治療の手引き2014,改訂第8.2版.日本寄生虫学会,2014.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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