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【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第6話
遠くを見られる医者
著者: 國松淳和1
所属機関: 1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
ページ範囲:P.1154 - P.1159
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内科ローテーションの初日、救急から引き継いだあの患者さんが亡くなってしまった。担当の後期研修医・栗塚は「なんとなく」嫌な気はしていたが、その患者の容体は悪化の一途をたどり、対応はすべて少しずつ後手に回ってしまった。三尖弁の感染性心内膜炎(IE)という診断も、治療にも間違いはなかったのになぜ? 右心系IEの原因は? しかも患者は、筧の旧友だった。「紘乃、戻ってきて!」。筧の叫びもむなしく患者は亡くなってしまったはずだったが…。
臨床の「なんとなく変」「何かがおかしい」を言葉にするのは難しい。それに今時、根拠のないことを口にするのははばかられる。でも、その違和感や直感が、患者を救うこともある。「基準はどうでもいい」と黒野は言う。「なんとなく」をどうすればよいのか? そして、黒野に見えていて、栗塚に見えていなかったこととは?
内科ローテーションの初日、救急から引き継いだあの患者さんが亡くなってしまった。担当の後期研修医・栗塚は「なんとなく」嫌な気はしていたが、その患者の容体は悪化の一途をたどり、対応はすべて少しずつ後手に回ってしまった。三尖弁の感染性心内膜炎(IE)という診断も、治療にも間違いはなかったのになぜ? 右心系IEの原因は? しかも患者は、筧の旧友だった。「紘乃、戻ってきて!」。筧の叫びもむなしく患者は亡くなってしまったはずだったが…。
臨床の「なんとなく変」「何かがおかしい」を言葉にするのは難しい。それに今時、根拠のないことを口にするのははばかられる。でも、その違和感や直感が、患者を救うこともある。「基準はどうでもいい」と黒野は言う。「なんとなく」をどうすればよいのか? そして、黒野に見えていて、栗塚に見えていなかったこととは?
参考文献
1)Van den Bruel A, et al:Clinicians' gut feeling about serious infections in children;observational study. BMJ 345 : e6144, 2012. PMID 23015034
2)赤水尚史:甲状腺クリーゼ.日内会誌 105(4):653-657, 2016.
3)國松淳和:病名がなくてもできること.pp153-155, 中外医学社,2019.
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