総合診療31巻1号

2021年01月発行

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来 [Ⅰ章] COVID-19診療の基本：総合診療医が今知っておくべきこと

“感染症災害”下でのメンタルヘルスケア—患者から医療者まで

著者： 太刀川弘和¹

所属機関： ¹筑波大学医学医療系臨床医学域災害・地域精神医学

ページ範囲：P.30 - P.32

　2020年10月現在、世界の感染者数約4,000万人・死者100万人を超えるCOVID-19のパンデミックは、もはや“災害”である。災害は英語でdisasterというが、これは「悪い星まわり」を意味し、すなわち災厄全般を指し、感染症も含まれる。

参考文献

1）Beverley Raphael. 1986／石丸正（訳）：災害の襲うとき—カタストロフィの精神医学．みすず書房，2016. 〈災害時のメンタルヘルスについての基本図書〉

2）Vindegaard N, et al : COVID-19 pandemic and mental health consequences ; systematic review of the current evidence. Brain Behav Immun 89 : 531-542, 2020. PMID 32485289 〈COVID-19に伴う精神症状のシステマティック・レビュー〉

3）Salazar de Pablo G, et al : Impact of coronavirus syndromes on physical and mental health of health care workers ; systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 275 : 48-57, 2020. PMID 32658823 〈医療従事者のCOVID-19に伴う精神・身体的影響のシステマティック・レビュー〉

4）Walton M, et al : Mental health care for medical staff and affiliated healthcare workers during the COVID-19 pandemic. Eur Heart J Acute Cardiovasc Care 9（3） : 241-247, 2020. PMID 32342698 〈医療従事者の個人・リーダー・同僚・組織がCOVID-19パンデミック下で何をすべきかをまとめている〉