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特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう! 【総論】
❶なぜシステムとマインドセットを変えるのか?
著者: 片岡仁美1
所属機関: 1岡山大学病院 総合内科・総合診療科/ダイバーシティ推進センター
ページ範囲:P.1215 - P.1215
文献購入ページに移動 働き方改革が社会全体で進められているが、医師は働き方の特殊性と著しい長時間労働の実態があることから、医師の働き方改革に関する検討会が設けられた1)。[総論❷]の渋谷健司先生(p.1216〜)が副座長を務められた同検討会において、私も構成員として2年余りの議論に参加した。自身も多くを学び考えるなかで、働き方改革を受け身ではなく、自ら考えて取り組む必要性を実感した。検討会の詳細については渋谷論文を参照されたいが、本稿では自身の経験からマインドセットとシステムについて考察したい。
卒業後、研修病院で上司に言われたことは、「医師はどれだけ自分のプライベートの時間を患者さんに捧げられるかで価値が決まる」ということだった。労働時間が著しく長いだけでなく、プライベートがほとんどない生活は、「普通の」生活をしていた私の価値観を塗り替えるのに十分過ぎた。当直による寝不足、慣れない仕事の緊張感と感情的にもすり減っていくことが重なり、私はたやすく「自分の時間をすべて捧げるのが医師として当然」という価値観に染まり、それについて考えることもなくなった。
卒業後、研修病院で上司に言われたことは、「医師はどれだけ自分のプライベートの時間を患者さんに捧げられるかで価値が決まる」ということだった。労働時間が著しく長いだけでなく、プライベートがほとんどない生活は、「普通の」生活をしていた私の価値観を塗り替えるのに十分過ぎた。当直による寝不足、慣れない仕事の緊張感と感情的にもすり減っていくことが重なり、私はたやすく「自分の時間をすべて捧げるのが医師として当然」という価値観に染まり、それについて考えることもなくなった。
参考文献
1)厚生労働省:医師の働き方改革に関する検討会 https://www.mhlw.go.jp(2021年8月30日閲覧)
2)Rosenbaum L, et al : Residents' duty hours ; toward an empirical narrative. N Engl J Med 367(21) : 2044-2049, 2012. PMID 23171102
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