総合診療31巻12号

2021年12月発行

特集 “血が出た！”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ！ 【第3章】予防に勝る治療なし

❷高齢者の転倒予防

著者： 竹内郁人¹ 吉田英人¹

所属機関： ¹西伊豆健育会病院 内科

ページ範囲：P.1527 - P.1530

「高齢者の転倒」は「予防可能な病態」である。予防のためには、❶身体機能（歩行障害、平衡障害）、❷視力、❸内服薬、❹生活環境の評価と改善が必要である。また、転倒恐怖についても理解しておく必要がある。本稿では、明日の診療から取り組める転倒予防について紹介する。

参考文献

1）David AG, et al : Prevention of falls in community-dwelling older adults. N Engl J Med 382（8） : 734-743, 2020. PMID 32074420 〈高齢者の転倒予防に関する、NEJMの総説〉

2）日本老年医学会，他（編）：高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015．日本老年医学会，2015． 〈高齢者に薬物療法を行う際の注意点がまとまっている〉

3）Logan PA, et al : Community falls prevention for people who call an emergency ambulance after a fall ; randomised controlled trial. BMJ 340 : c2102, 2010. PMID 20460331 〈転倒恐怖感の改善に、多因子介入が有用であることを示している〉

4）Centers for Disease Control and Prevention : Older Adult Fall Prevention. https://www.cdc.gov/falls/index.html（URLは2021年9月29日閲覧） 〈CDCの高齢者転倒予防に関する推奨が記載されている。患者向けの案内もあり、わかりやすくまとまっている〉