総合診療31巻12号

2021年12月発行

“JOY”of the World!｜ロールモデル百花繚乱・22

“卓球ねえちゃん”の塞翁が馬／「その人の物語を聞く」ことから

著者： 泉美貴¹ 片岡仁美²

所属機関： ¹昭和大学医学部 医学教育学講座 ²岡山大学病院 ダイバーシティ推進センター

ページ範囲：P.1575 - P.1581

　もともと「教師」を志していたが、「医師になれば（医学生の）教師にもなれる」という父の一言に触発され、医学部に入学した。卒後は尊敬する師匠に魅了され「病理学」を専攻し、20年間邁進した。やがて念頭の想いは「医学教育者」となることで結実し、現在は日本の医学教育を変革するため奮闘している（表1）。
　優れた医師になるには、本人の才能とはおよそ関係がなく、優れた師匠につく必要がある。医師としての力量は若いうちに決まるので、卒後の数年間は仕事を優先することをお勧めする。結婚や出産を経ても、周りの人や家電の助けを借りることにより、仕事との両立は十分に可能である。
　振り返れば、人生で大事なことはすべて、中高大と打ち込んだ卓球に学んだ。人生は勝つことも負けることもあるが、七転び八起きでチャレンジしてきた。医師というこの素晴らしき人生を、次の世代によりよい形で伝えていきたい。

参考文献

1）厚生労働省人口動態・保健統計課保健統計室：平成30年（2018年）医師・歯科医師・薬剤師調査の概況．結果の概況「1．医師」，2019. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/dl/kekka-1.pdf（2021年11月5日現在）

2）片岡仁美，関明穂，川畑智子，他：女性医師のライフイベントを考慮したキャリア支援—岡山大学アンケート調査．医学教育47（2）：111-123, 2016.