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What's your diagnosis?[218]
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著者: 西澤徹1 石井一慶2
所属機関: 1関西医科大学総合医療センター 呼吸器膠原病内科 2関西医科大学総合医療センター 血液腫瘍内科
ページ範囲:P.148 - P.152
文献購入ページに移動患者:78歳、男性
主訴:不明熱
現病歴:7カ月ほど前に急性腹症で前医を受診し消化管穿孔による腹膜炎と診断された。緊急手術で回盲部終末から口側15〜30cmに多発潰瘍が認められ、病巣部位の切除と共に人工肛門が留置された。病理診断は「非特異的多発潰瘍」であった。術後110日から口腔内潰瘍、背部痛と悪寒を伴う発熱(max値40.3℃)、および抗菌薬に反応したように見える解熱、毎回部位の変わる腹痛と下血を4カ月間繰り返した。腹痛時には人工肛門からの内視鏡検査では回腸に潰瘍性病変を認めた(図1Ⓐ、Ⓑ)。血培、便培、CDトキシン、胸腹部CT検査が施行され抗菌薬投与が反復されたが、原因は同定できず、家族性地中海熱が疑われてコルヒチンも投与されたが無効であった(図2)。何らかの膠原病・炎症性疾患の存在が疑われ、術後227日に当院へ転院した。転院までの6カ月で体重は8kg減少していたが、頭痛、眼症状、悪心・嘔吐、皮疹、陰部症状、関節痛・筋肉痛、脱力・しびれの病歴はなかった。
既往歴:特になし
薬剤歴・アレルギー歴:なし
家族歴:結核、膠原病、Behçet病、間欠熱は本人の知る限りなし
生活歴:喫煙は40本/日を65歳まで、飲酒は日本酒2合を週2回程度、海外渡航なし
職業:75歳まで自営業
参考文献
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