icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻3号

2021年03月発行

文献概要

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。 【Ⅱ章】ライフステージ別 よくあるプロブレム ▼思春期・青年期(10〜20代)

コラム|思春期の発達と危機的状況

著者: 服部祥子1

所属機関: 1大阪人間科学大学

ページ範囲:P.302 - P.303

文献購入ページに移動
Q1 「思春期」の発達課題と危機的状況とは?
 子ども期から大人期へ移行する中間の時間を「思春期」(puberty & adolescence)という。この時期の発達課題は、身体的には二次性徴の発現に始まる性の成熟を受け入れ、心理・社会的には自我同一性(アイデンティティ)を獲得して、独立した一個人に成長することである。しかも、性の成熟は「親離れ」を意味し、生まれて初めてただ1人でこの課題に向き合わねばならず、孤独の中の大きな試練である。
 思春期の心理的特性としては、自己中心性、不安、過敏、感情の揺れとアンビバレンス、性急さなどがあげられ、誰にとっても思春期は精神的に不安定で危機的状況に陥ることも少なくない。思春期の精神障害には、「統合失調症」「気分障害」「不安障害」「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」「身体表現性障害」「摂食障害(p.299)」「性同一性障害」「パーソナリティ障害」などがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?