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特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。 【Ⅱ章】ライフステージ別 よくあるプロブレム ▼更年期以降(60代以降)
動脈硬化性疾患—「動脈硬化性疾患」に関する女性の特徴は何ですか?
著者: 宮尾益理子1
所属機関: 1アットホーム表参道クリニック
ページ範囲:P.342 - P.344
文献購入ページに移動女性ホルモンに「抗動脈硬化作用」があるため、閉経前の女性に動脈硬化性疾患は稀であり、男性より約10年遅く発症し頻度も少ない。一方で、「虚血性心疾患」の症候が非典型的であること、高齢発症で併存疾患も多くなることなどから発症後の予後は不良であり、死因としては悪性腫瘍より多い。また、リスク因子として、閉経時の「LDLコレステロール上昇」が顕著であること、「喫煙」「糖尿病」によるリスクの上昇が男性より大きいことなどの特徴がある。
参考文献
1)厚生労働省:第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合.令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況,2020. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/index.html
2)Yoshida M, et al: Incidence of acute myocardial infarction in Takashima, Shiga, Japan. Circ J 69(4) : 404-408, 2005. PMID 15791033 https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/69/4/69_4_404/_pdf/-char/en
3)日本循環器学会,他;循環器病の診断と治療に関するガイドライン2008-2009年合同研究班:循環器領域における性差医療に関するガイドライン.日本循環器学会,2010. https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2010tei.h.pdf
4)日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017年版.日本動脈硬化学会,2017.
5)日本内科学会:脳心血管予防に関する包括的リスク管理チャート2019.2019. https://www.naika.or.jp/jsim_wp/wp-content/uploads/2019/05/269e80132a367889638e36044f0b5fa6.pdf
6)White HD, et al:Frailty is associated with worse outcomes in non-ST-segment elevation acute coronary syndromes ; Insights from the TaRgeted platelet Inhibition to cLarify the Optimal strateGy to medicallY manage Acute Coronary Syndromes(TRILOGY ACS)trial. Eur Heart J Acute Cardiovasc Care 5(3) : 231-242, 2016. PMID 25897147
7)日本女性医学学会「女性の動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針2018年度版」作成委員会 編:女性の動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針 2018年度版.診断と治療社,2018.
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