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文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻3号

2021年03月発行

文献概要

Empirical EYE

「HPVワクチン接種後」の症状に苦しむ患者が受診した時、総合診療医としてできること

著者: 鈴木富雄1

所属機関: 1大阪医科大学附属病院 総合診療科

ページ範囲:P.352 - P.355

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 HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは定期接種でありながら積極的勧奨を差し控えるという状態が続いているが(p.308)、2018年12月に日本プライマリ・ケア連合学会は3つの声明を発表した。1つは厚生労働大臣に向けての「積極的勧奨の即時再開の要望」、2つ目はプライマリ・ケアを担う医師に向けて、3つ目はワクチンの接種対象者とその家族に向けてであった。その経緯は『週刊医学界新聞』(2019年7月29日発行)に掲載され1)、声明の内容は日本プライマリ・ケア連合学会のホームページ上で閲覧可能である2)。これは、HPVワクチンの有効性と接種後の多様な症状の出現頻度が非接種者と差がないことを示したうえで、接種率を上げるための「積極的勧奨」の即時再開を訴えると同時に、接種後の多様な症状に苦しむ患者に対して、プライマリ・ケアを担う医師による「真摯で積極的な診療サポート」が必要であると謳っている。
 筆者は、そのような患者の診療を少なからず行ってきた。その経験を踏まえ、HPVワクチン接種後の多様な症状を訴える患者に総合診療医はどのように対応するべきなのか、実際の症例を改変して提示し、私見を述べてみたい。

参考文献

1)鈴木富雄:HPVワクチン 不作為の時を越えて.週刊医学界新聞 3332:1-2, 2019. https://www.igaku-shoin.co.jp/application/files/9616/0463/3450/3332.pdf
2)日本プライマリ・ケア連合学会:「ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接腫の積極的勧奨の即時再開を求める要望書」の厚生労働書への提出について.2018. http://primary-care.or.jp/imp_news/20190115.html
3)鈴木富雄:原因探しの旅は今日で終わりにしませんか? 志水太郎(編):診療困難な痛みに向き合うケーススタディ.診断と治療108(5), 605-610, 2020.
4)厚生労働省:HPVワクチンに関するリーフレット(医療従事者版).2020. https://www.mhlw.go.jp/content/000679265.pdf
5)World Health Organization:Immunization stress related responses;a manual. 2019 . https://www.who.int/publications/i/item/978-92-4-151594-8
6)奥山伸彦:【識者の眼】HPVワクチン接種後の慢性疼痛にどう対応すべきか(6)-ISSRと日本の現状.医事新報5021:66, 日本医事新報社,2020. https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14921

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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