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文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻4号

2021年04月発行

文献概要

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます! 【消化管】

Q9 胃アニサキス症は内視鏡検査で摘出がマスト? 抗アレルギー薬の点滴のみで経過を見れないか?

著者: 西野徳之1 濱田晃市1

所属機関: 1総合南東北病院 消化器センター

ページ範囲:P.440 - P.441

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「経過を見る」ならYesかも。しかし「完治を目指す」ならNo! 胃アニサキス症の診断は上部内視鏡検査が必須である。内視鏡医にとっては、内視鏡で虫体を確認した際それを除去せず看過する選択肢はない。すぐに内視鏡検査ができない状況下で「アニサキス症疑い」の場合、検査までの橋渡しのため副腎皮質ホルモン、抗アレルギー薬、胃局所麻酔薬、鎮痙薬、正露丸®などの投与は考慮してよいかもしれないが、治療目標は症状の緩和ではなく、病態の把握と虫体の除去である1)

参考文献

1)唐澤洋一,他:最近の消化管アニサキス症について—第2回全国集計報告.日本医事新報4386 : 68-74, 2008.
2)川元真,他:腸アニサキス症で小腸穿孔をきたした1例.日本腹部救急医学会雑誌 33(6) : 1047-1050, 2013.
3)Audicana MT, et al : Anisakis simplex ; from obscure infectious worm to inducer of immune hypersensitivity. Clin Microbiol Rev 21(2) : 360-379, 2008.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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