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特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます! 【肝胆膵】
Q25 健診で胆囊結石を指摘された。手術の適応とタイミングは?
著者: 中原一有1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科
ページ範囲:P.482 - P.483
文献購入ページに移動健診などで偶発的に発見された無症状の胆囊結石には治療適応はないが、充満結石などで胆囊壁の評価が困難な場合や癌の疑いがある胆囊壁肥厚を認める場合には、無症状であっても手術を考慮すべきである1)。また、胆囊結石に伴う症状(胆石発作)を頻回に認める場合や急性胆囊炎合併例は、手術適応となる。手術のタイミングは、急性胆囊炎合併例は耐術可能であれば早期(可能であれば72時間以内、遅くとも1週間以内)の腹腔鏡下胆囊摘出術(laparoscopic cholecystectomy : Lap-C)が推奨されているが2)、胆石発作と考えられる症例では、症状の原因となりうるその他の疾患を除外した後に、待機的手術を考慮する。
参考文献
1)日本消化器病学会(編):胆石症診療ガイドライン2016,改訂第2版.南江堂,2016.
2)急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン改訂出版委員会(他):急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018,第3版.医学図書出版,2018.
3)May GR, et al : Efficacy of bile acid therapy for gallstone dissolution ; a meta-analysis of randomized trials. Aliment Pharmacol Ther 7(2) : 139-148, 1993. PMID 8485266 〈無作為化試験のメタ解析による胆囊結石溶解療法の有用性について〉
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