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オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・53
同じ主訴での頻回受診を「精神的な問題」と考える前に!
著者: 譜久山倫子1 與那覇忠博1 新里敬1 徳田安春2
所属機関: 1社会医療法人 敬愛会 中頭病院 総合内科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター
ページ範囲:P.626 - P.629
文献購入ページに移動症例:60代、女性。
主訴:2カ月前からの頭痛、嘔気・嘔吐。
現病歴:入院2カ月前、頭痛、嘔気・嘔吐、食事摂取困難のため近医脳神経外科および総合病院を受診。各施設で頭部MRI検査を施行されたが異常はなかった。数日後に複視が出現してきたため近医眼科を受診したが、白内障以外の異常は認められなかった。
その7日後および10日後に持続する頭痛のため、当院へ救急搬送。身体所見および頭部CT検査で異常は認められなかった。病歴聴取の際に「頭痛がひどく、消えてなくなりたいと思うことがある」との発言もあり、精神科へ紹介となった。
入院10日前、頭痛および嘔気・嘔吐を主訴に再度当院へ救急搬送。身体所見では異常なし、再度頭部CT検査および血液検査が施行されたが軽度の低Na血症があるのみで、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)投薬で症状改善した。鎮痛薬を連用していたためその使用を控えるよう指導され、帰宅となっていた。
入院7日前に精神科受診、適応障害、ストレス性頭痛および不眠症と診断され、内服薬を処方された。しかし、嘔気・嘔吐が強く、内服できなかった。
入院3日前に上部消化管内視鏡検査が施行されHelicobactar pylori胃炎が認められたが、嘔気・嘔吐の原因となる疾患は認められなかった。血液検査で電解質異常(Na 124mEq/L、K 3.0mEq/L)があり、食事摂取も不可能な状態であったことから、入院で経過をみることとなった。
既往歴:正常眼圧緑内障、白内障疑い。
喫煙歴:なし(never-smoking)。
飲酒歴:なし。
内服薬:メコバラミン、ロキソプロフェン、スルピリド、ロラゼパム、エスゾピクロン(救急外来および精神科での処方)。
アレルギー歴:なし。
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