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雑誌目次

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総合診療31巻6号

2021年06月発行

雑誌目次

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

著者: 上田剛士 ,   志水太郎

ページ範囲:P.688 - P.689

 診断に最も寄与する行為は問診であることに異論はないでしょう。しかしながら診断エラーの最大の要因も問診にあります。達人は多くの情報を含む病歴の中から診断に役立つ情報を上手く引き出しますが、それは必ずしも容易なことではありません。丁寧な問診を心掛けたとしても、重要な所見に気づかなければ、正しい診断には辿り着けないかもしれません。
 そこで本特集では、「これを知ってさえいれば診断に直結する」特徴的な病歴について取り上げます。49問のキラリと光るその病歴を身に着け、明日からの診療に活かしていただければ幸いです。

【総論】剛士と太郎のスペシャル対談

病歴聴取—その重要性や面白さを伝えたい!

著者: 上田剛士 ,   志水太郎

ページ範囲:P.690 - P.698

 総合診療医のバイブル本とも言えるこの2冊(p.699)、『ジェネラリストのための内科診断リファレンス』の著者・上田剛士先生、そして『診断戦略』の著者・志水太郎先生は、日本を代表するカリスマ・ジェネラリストであり「診断学」のエキスパートです。そのお2人が、的確な診断をつけるためには、「病歴聴取がとても重要である」と何度もおっしゃっています。
 ここでは特集の「総論」として、病歴聴取のテクニックをどう身につけ、同時にどう学んでいけばよいのか、病歴聴取の大切さを率直に語り合った「剛士と太郎のスペシャル対談」をお届けします!

【CASE】

① 突然、指が真紫!

著者: 山本祐

ページ範囲:P.700 - P.700

患者:66歳、女性。
朝食後に休憩していたところ、突然右手の指に痛みが走った。手を見てみると右第3指全体が真紫に変色していたため、不安になり受診した。3週間前にも同様のエピソードがあったが、その際は第3指根部掌側のみが紫になり、1週間ほどで自然に軽快した。既往歴に特記すべきことはない。内服薬・喫煙歴はなし。寒い所で手指の色調が変化することはない。
右第3指は全体に紫斑を認め、軽度腫脹している(図1)。手指冷感はなく、橈骨動脈拍動は良好に触知する。血液検査で血小板数は基準範囲内であり、凝固異常も認めない。

② トイレに行くとドキドキする

著者: 𠮷川聡司

ページ範囲:P.701 - P.701

患者:65歳、女性。
1カ月ほど前から排尿時に頭痛と嘔気、動悸がするようになったため来院した。症状は安静にしていれば10分ほどで治まり、来院時には無症状である。バイタルサインにも異常を認めない。

③ 風が怖い

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.702 - P.702

患者:60代、男性。
1週間前からの発熱、咳、鼻汁。小動物幻視と左手のしびれ感を訴える。一般血液検査と頭部MRIにて特記すべき所見なし。診察室でエアコンの風が当たると「風が怖い」と怯えている。

④ 嗅覚過敏

著者: 丸山尊

ページ範囲:P.703 - P.703

患者:48歳、女性。
1カ月ほど前から食思不振、倦怠感があり、近医で上部消化管内視鏡検査を施行されたが異常なし。血液検査では低ナトリウム血症を認めた。「料理を作る時に食べ物の臭いがきつい」と感じるようになった。

⑤ 月経と一致する発熱・腹痛

著者: 三枝万紗

ページ範囲:P.704 - P.705

患者:16歳、女性。
半年前から月に1回、月経時に2日間続く発熱と腹痛がある。来院時には無症状だった。診察、腹部エコーでは肝脾腫以外に異常所見はなかった。姉にも同様の症状がある。

⑥ ヘソが毎月痛む

著者: 西村康裕

ページ範囲:P.706 - P.706

患者:37歳、女性。
数カ月前から臍部に茶褐色のしこりが出現し、毎月月経のタイミングで同部位に疼痛と少量の外出血が見られるが、数日で自然軽快する。既往歴に子宮内膜症と月経困難症があり、2回ほど腹腔鏡下で子宮内膜腫の摘出術を受けている。

⑦ 腋が毎月痛む

著者: 大髙由美

ページ範囲:P.708 - P.708

患者:20歳台、女性。
数年前より毎月左腋の疼痛が出現する。疼痛は月経前に3〜4日間続き、月経が始まると消失する。身体診察では左腋窩にわずかな膨らみを認める。

⑧ 歩くと楽になる呼吸困難?

著者: 鵜木友都

ページ範囲:P.709 - P.709

患者:50歳、女性。
3カ月前頃から階段を昇る時や椅子から立ち上がる際に疲れやすく、手すりや腕の力を要するようになった。時々息苦しい感じがすることもあった。いずれの症状も少し歩くと改善していたため、そこまで気にしていなかった。ただ、3カ月も症状が続いていること、少しずつ程度が強くなってきていることが心配になり、あなたの外来を受診した。

⑨ 外傷歴のないパンダの眼徴候

著者: 島惇

ページ範囲:P.711 - P.711

患者:65歳、女性。
数カ月前からの眼窩周囲の皮下出血斑、繰り返す失神、しびれを主訴に来院した。外傷や転倒歴はなく、頭痛、嘔気などの随伴症状はない。抗血小板薬、抗凝固薬の内服なし。両側にパンダの眼徴候(図1)を認める。

⑩ 外耳道後壁の感覚過敏

著者: 原田拓

ページ範囲:P.712 - P.712

患者:52歳、女性。
数週間前から生じる進行性の右耳鳴りの精査で紹介受診となった。
診察上、明らかな異常は見られなかったが、患者さんからは右耳の後ろあたりがしびれる感じがあるという訴えがあった。

⑪ お風呂で手指にしわができない

著者: 高瀬啓至

ページ範囲:P.714 - P.715

患者:60歳台、男性。
小学生の孫と入浴中、自分の手指には全くしわができないことに気づいた。不審に思っていたところ、同世代の友人らとの温泉旅行でも、やはり自分の手指にだけしわができなかった。むきになって30分湯船に浸かっていたところ意識を失い、救急搬送された。
来院時、意識清明だが、それでも手指にしわができなかったことを心配している。
Parkinson病で8年前からレボドパ製剤内服中。それ以外は、毎年の健診や人間ドックを含めて異常の指摘はなく、HbA1c(NGSP)5.3%、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値125mg/dL。アルコールは元来全く飲めない。

⑫ 横になると呼吸が楽

著者: 西信俊宏

ページ範囲:P.716 - P.716

患者:80歳台、男性。
主訴:横になると改善する呼吸困難。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)による労作性呼吸困難で数年前より在宅酸素療法を開始されていた。数日前より労作時の呼吸困難が増悪したため来院。「立位や座位では呼吸困難がひどく、横になると楽になる」とお話しされていた。外来でSpO2(room air)を測定すると、立位で87%、臥位で93%であった。入院後のコントラストエコーでは、右房から左房に抜けるマイクロバブルが確認された。

⑬ 蚊に刺されるととっても腫れる

著者: 三枝万紗

ページ範囲:P.717 - P.718

患者:1年前に伝染性単核球症の既往がある19歳、男性。
その後から蚊に刺されると局所の腫脹、水疱・潰瘍形成がみられるようになり、発熱を伴うこともあった。繰り返す発熱、頸部のしこりを主訴に近医を受診し、肝機能障害を指摘されて紹介受診した。

⑭ ミカン食べてないのに皮膚が黄色い

著者: 勝倉真一

ページ範囲:P.719 - P.719

患者:50歳台、女性。
友人から「顔や手足が黄色くなってきた」と指摘され、病院を受診した。特記すべき既往歴はなし。2カ月前から寒気や全身倦怠感を感じており、下腿浮腫や体重の増加もある。緑黄色野菜や柑橘類の大量摂取はなく、1週間前に施行した健康診断の血液検査ではビリルビンの上昇はなかった。

⑮ ドライアイス・センセーション

著者: 徳田嘉仁

ページ範囲:P.720 - P.720

患者:40歳台、男性。
深夜2時頃、嘔吐・下痢・腹痛を自覚し救急外来を受診された。受診後、飲水するとピリピリとしたしびれを舌に感じ、また「クーラーの冷気が直接当たると皮膚が痛い」と言う。
最終の食事は前日夜21時頃で、趣味の釣りで釣り上げた魚をアラ煮にして友人4人と食べた。友人にも同様の症状が出現している。

⑯ 運動すると筋肉痛がすぐに出ますが続けていると楽になるんです

著者: 阿部昌文

ページ範囲:P.721 - P.721

患者:20歳台、女性。
スクワットを始めて3分後に筋肉痛を自覚した。その後も我慢して継続したところ、痛みは自然に改善した。翌日、褐色の尿が出たため内科受診したところ、血液検査でCK 30,000IU/Lと高値を認めた。
 患者に聞くと、数年前から同様のことを何度か繰り返しているとのことだった。

⑰ 動き始めに自分の意思に反して手足が動く

著者: 國友耕太郎

ページ範囲:P.722 - P.722

患者:18歳、男性。
椅子から立ち上がる時や走り出そうとする時に、手足が捻じれるような動きを自覚し、病院を受診した。症状は数十秒続き、発作時のことは覚えている。他院で頭部MRI検査や脳波検査を行ったが異常はないと言われた。大学受験に向けて勉強しているが、成績が伸び悩んでいて眠れない時もある。

⑱ 頭痛を伴う“アナフィラキシー”

著者: 水谷肇

ページ範囲:P.723 - P.723

患者:14歳、女性。
放課後に授業を受けていると頭痛を感じた。顔が紅潮し、じんましんが出て、呼吸も苦しくなってきた。担任の先生にアレルギーはないかと聞かれたが、もともとアレルギーだと言われたことはなく、給食の内容も今まで食したことのある献立ばかりだった。他にも同様の症状で救急搬送された生徒がいたようである。給食はイワシのつみれ汁だった。

⑲ 水アレルギー?

著者: 田宗麻姫子

ページ範囲:P.724 - P.724

患者:60歳台、男性。
1年前から入浴後に全身に瘙痒感を自覚するようになった。瘙痒感は徐々に増悪しており、耐えがたいほどになったため受診した。水に触れると数分で瘙痒感が出現するが、皮膚の見た目に変化はなく、1時間程度で症状は改善する。冷水でも瘙痒感はあるが、温水で特に程度が強いと訴える。水のアレルギーになってしまったのかと心配している。

⑳ アナフィラキシーが集団発生?

著者: 阿部昌文

ページ範囲:P.725 - P.725

患者:20歳台、男性。
昼食に鉄火丼を食べたところ、摂取後30分ほどして頭痛、嘔気、呼吸困難が出現し、皮膚も紅潮してきたため受診。来院時ショックバイタルであったため、マグロによるアナフィラキシーショックとして初期対応を受けた。
これまでにマグロ摂取でアレルギー症状が出現したことはない。一緒に食事をした友人3人も同様の症状で他院に救急搬送されていた。なお、行きつけの海鮮丼屋だったが、今日は普段と違って鉄のような味がしたとのこと。

㉑ 身体から魚の臭いがする

著者: 池知大輔

ページ範囲:P.726 - P.726

患者:7歳、男児。生来健康。
最近、同級生から「魚臭い」と言われるようになった。風呂に頻回に入り清潔を保つように心掛けたが、体臭は変わりなかった。同級生からの言葉に傷つき、学校に行くことを嫌がるようになったため、母親に連れられて来院した。体臭以外には自覚症状はなく、診察上も異常所見を認めなかった。

㉒ 大きな音でめまいがする

著者: 𠮷川聡司

ページ範囲:P.727 - P.727

患者:30歳、男性。
5年前より時々浮動性めまいを感じていた。その後、改善せず様子をみていたが、「工事現場の右側を通った時にふらついて恐い」と訴えて受診した。

㉓ 問診中に家族に助けを求める

著者: 森川暢

ページ範囲:P.728 - P.728

患者:70歳台、女性。
糖尿病で診療所に通院している。ある日「物忘れが増えた」という主訴で夫と来院した。Mini-Mental State Examination (MMSE)を施行したところ、質問に対して頻回に夫のほうを振り返る様子を認めた。MMSEは18点であった。認知症の専門病院に診療情報を記載して紹介したところ、Alzheimer型認知症の診断がついた。専門病院には夫がいつも一緒に同行しているとのことであった。

㉔ 靴紐を結ぶと息が苦しい

著者: 加賀史尋

ページ範囲:P.729 - P.729

患者:70歳台、男性。
本態性高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病で近医通院中。1カ月前から徐々に体重が増え、両下腿のむくみが目立ってきた。買い物のために近くのコンビニまで歩いて行くのに、普段のペースより休み休み歩くことが増えた。また、解けた靴紐を結ぶと息が苦しくなった。昨晩からは就寝中に息苦しくて目覚めるようになり、夜も寝られなくなってきた。

㉕ 風呂に入るとしびれが増す

著者: 丸山尊

ページ範囲:P.730 - P.730

患者:28歳、女性。
1カ月ほど前からバランスを崩すことがあり、2週間前から右手のしびれ感を自覚するようになった。しびれる感覚は「お風呂に入った時に悪くなる」とのこと。既往歴に特記事項はなく、服薬歴もない。頭部MRIで脳室や脳梁周囲にT2高信号を示す病変を認めた。

㉖ 熱は出るのに汗は出ない

著者: 三枝万紗

ページ範囲:P.731 - P.732

患者:21歳、男性。
8カ月前から暖房のかかった部屋にいる時にほてり感、倦怠感を自覚するようになった。ジムに行っても汗をかかず、37〜38℃台の発熱をきたすこともあった。発熱時に何度か近医を受診したが、血液検査では毎回炎症反応は陰性であり、不明熱として紹介受診した。

㉗ 頸部回旋で失神

著者: 西村康裕

ページ範囲:P.733 - P.733

患者:60歳、女性。
1週間前から頸を左に向けた時に強いめまいを自覚するようになった。左を向いた後3〜4秒程度で回転性めまいを自覚する。同時に耳鳴り・悪心を伴い、一度そのまま失神してしまうこともあった。症状誘発後、顔面を正面に戻すと速やかに症状は消失し、他方向への回旋では誘発されない。

㉘ 腹痛の時だけ尿が赤黒くなる

著者: 足立智英

ページ範囲:P.734 - P.734

患者:20歳台、女性。
8カ月前に腹痛、嘔気、両下肢に筋肉痛のような痛みがあったが数日で改善。6カ月前、強い腹痛、嘔気で食事ができなくなり近医受診。原因ははっきりしなかったがイレウスと診断され、2週間入院し改善した。今回も強い腹痛、嘔気、両下肢疼痛にて近医へ入院した。原因不明とのことで、転入院後、尿検査検体が赤黒く変色していることに気づいた。

㉙ 爪が黄色い

著者: 森川暢

ページ範囲:P.735 - P.735

患者:60歳台、女性。
1週間前からの呼吸困難で近医を受診した。両側性に胸水を認め、当院に紹介受診となった。
聴診を始めたところ、ふと爪が黄色く、さらに下腿浮腫もあることに気がついた。

㉚ 外傷後の起立性頭痛

著者: 島惇

ページ範囲:P.736 - P.736

患者:50歳台、女性。
来院1カ月前より、起立時の頭痛、頸部痛を認め、臥位になると改善する。めまい、難聴、耳鳴りを伴い、改善しないため来院した。来院2カ月前にバイクの転倒事故で救急搬送歴があるが、特に外傷を認めず帰宅となっている。起立負荷試験では血圧低下を認めない。

㉛ 入院すると頭痛が起こる

著者: 丸山尊

ページ範囲:P.737 - P.737

患者:38歳、女性。
出血性胃潰瘍のため入院し、絶飲食・輸液投与中。入院2日目から緩徐発症の頭痛の訴えあり。随伴症状として全身倦怠感や気分の落ち込み、イライラ感がある。嗜好歴を確認すると、入院するまで「毎日コーヒーや紅茶を飲んでいた」という。

㉜ 食欲が減少しない体重減少

著者: 森川暢

ページ範囲:P.738 - P.738

患者:60歳台、男性。
糖尿病の治療歴があるが自己中断している。2カ月前から口渇、多飲多尿があり、同時期より下肢の灼熱感を認めた。食事量は低下していないにもかかわらず、2カ月で体重が10kg減少したため来院した。採血ではHbA1cが12.2%と著明に高値だったが、糖尿病治療とともに体重は徐々に改善した。

㉝ 食事をすると失神

著者: 西村康裕

ページ範囲:P.739 - P.739

患者:60歳、男性。
数カ月前から数秒間の浮動感や失神発作を繰り返しており精査目的で入院。入院時の心電図は正常洞調律で、QT延長も認めない。入院後、冷水を飲水中に数秒間無反応となっている患者に看護師が気づいた。発症時のモニター波形では、3秒間の心静止を伴う高度房室ブロックが記録された。病歴聴取を追加すると、これまでの発作も飲水により誘発されていることが判明した。

㉞ 夜にだけ起こる視力低下

著者: 近藤猛

ページ範囲:P.740 - P.740

患者:40歳、男性。
夜間救急に「左目が見えなくなった」と来院した。来院時には症状はなくなっており、神経診察およびMRIでも特記すべき所見を認めなかった。実はここ数カ月で同じ症状が2回出ていた。

㉟ トイレの後に片足に力が入らない

著者: 小嶌祐介

ページ範囲:P.741 - P.742

患者:45歳、男性。
受診の前日、飲酒後に帰宅してトイレで寝てしまった。翌朝覚醒したら左下肢の脱力が生じていたため受診した。足関節の底屈および背屈力の低下(MMT3/5)、左下腿外側から足底にかけてのしびれを認める。右下肢および左右上肢に症状はない。腰掛けたまま寝ていたせいか、首と腰、臀部が痛い。

㊱ サーファーの遅発性アナフィラキシー

著者: 島惇

ページ範囲:P.743 - P.743

患者:42歳、男性。
夕食後に瘙痒を伴う膨疹、腹痛・下痢、眼前暗黒感が出現したため来院した。直近の昼食、夕食ともに普段からよく摂取するカップラーメンであり、同様の症状は今回が初めてである。既知のアレルギーはなく、新規の薬剤や食後の運動はない。朝食で数年ぶりに納豆を食べた。趣味はサーフィン。

㊲ 若者の運動後の背部痛

著者: 加賀史尋

ページ範囲:P.744 - P.744

患者:20歳台、男性。
所属する大学の体育祭で400m走を全力疾走した。その翌日から徐々に嘔気と腰背部痛が出現した。肉眼的血尿はない。特記すべき既往歴・内服歴・アレルギー歴はない。

㊳ よーいドンで股関節痛

著者: 鈴木有大

ページ範囲:P.745 - P.745

患者:15歳、男性。
陸上短距離の試合に出場し、走り出した直後から右足の付け根に激しい痛みが生じて、走ることが困難になった。その後も股関節周囲の痛みが強く、歩行困難であるため受診した。

㊴ 豆は好きだけど、ご飯とお酒は大嫌い

著者: 島惇

ページ範囲:P.746 - P.746

患者:50歳台、男性。
生来健康。来院数日前より、明らかな誘因なく意味不明なことを言ったり、興奮や無気力を繰り返していた。夕食後に短時間の痙攣があり救急車で来院した。採血では高アンモニア血症を認めるのみで、髄液検査、頭部MRIでは異常なく、腹部CTで肝臓の形態異常や門脈体循環系シャントは認めない。幼少時から豆類を異常に好み、米は少量しか摂取せず、アルコールは全く飲まない。

㊵ 食後に様子がおかしい

著者: 小嶌祐介

ページ範囲:P.747 - P.748

患者:80歳、女性。
尿路感染で入院中。経過は安定しているが、食後に様子がおかしくなることに気づいた。症状は見当識障害から傾眠までさまざまだが、数時間で改善する。意識障害と判断して血糖値を複数回測定してみたが、190〜230mg/dL程度であった。食後の血圧低下は認めず、脈拍数も正常範囲だった。一般血液検査および血液ガスには異常を指摘できない。反復する可逆性意識障害として代謝性脳症を疑い精査を進めたところ、高アンモニア血症を認めた。肝疾患の既往はない。

㊶ 不明熱+精巣痛

著者: 山下恵実 ,   上田剛士

ページ範囲:P.749 - P.749

患者:60歳台、男性。
2週間前から続く発熱。下腹部痛、精巣痛があることから、精巣上体炎として抗菌薬を投与するも、症状は改善せず。体重減少あり。

㊷ Parkinson病患者の黒色嘔吐で確認すべき薬剤

著者: 松本朋弘

ページ範囲:P.750 - P.750

患者:70代、男性。
5年ほど前にParkinson病の診断を受けている。1週間前から便秘症が増悪傾向であった。救急外来受診当日、昼食後に黒色嘔吐をしたため、救急搬送となった。バイタルサインは安定し、一般血液検査では貧血は認めず、緊急内視鏡検査を施行するも明らかな潰瘍等は認めなかった。この数カ月、食事中にむせることが多かった。便秘症に対して酸化マグネシウムが増量されていた。

㊸ ホタルイカを食べただけなのに

著者: 溝畑宏一

ページ範囲:P.751 - P.751

患者:50歳台、男性。
腹痛を主訴に来院。一般血液検査で好酸球数の増加、腹部X線で小腸ニボー形成、腹部エコー・腹部CTで回腸に限局性の腸壁肥厚とその口側の腸管拡張所見を認めた。小腸イレウスの診断にて入院となった。問診で、2日前に友人と釣ったホタルイカを生食したことが判明した。

㊹ 蜂に刺されて胸まで痛い

著者: 加賀史尋

ページ範囲:P.752 - P.752

患者:50歳台、男性。
畑作業中に蜂に複数箇所を刺された。すると全身に広がる皮疹と呼吸困難感が出現したため、近医へ救急搬送された。アナフィラキシーショックの診断でアドレナリン0.3mgを筋肉注射したところ、症状は改善した。しかしその後、胸部絞扼感が出現したため12誘導心電図を施行したところ、Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導でST上昇を認めた。

㊺ 数年来続く原因不明の咽頭違和感

著者: 島惇

ページ範囲:P.753 - P.753

患者:70歳、女性。
数年ほど前より嚥下時痛、咽頭違和感が出現した。症状が改善しないため耳鼻科で咽頭ファイバーを施行したが異常を認めなかった。逆流性食道炎疑いで制酸薬を内服するも改善せず、上部消化管内視鏡検査でも異常を認めなかった。嚥下困難、体重減少、食欲低下はなく、精神的ストレスもない。診察で口腔内に異常を認めないが、左口蓋扁桃を介して突起を触知し、咽頭痛が誘発される。

㊻ 幸せ過ぎて死んじゃう!!

著者: 黄世捷

ページ範囲:P.754 - P.754

患者:40歳台、女性。
元来健康な方。同居する老親の介護負担や、最近転居してきた近隣住民の生活音に対するストレスを感じていた。X-1日に大好きなロックバンドのコンサートで高揚したが、その帰宅中から心窩部に痛みと冷汗を自覚。経時的に改善したが、翌日起床後にも症状が持続するため近医受診され、簡易採血にてトロポニン陽性であったため当院へ搬送となった。
来院時の心電図で前胸部誘導のR波増高不良を認め、経胸壁心臓超音波検査でも左室中部から心尖部にかけて広範な壁運動障害を認めた。緊急冠動脈造影では有意な冠動脈の狭窄は認めなかった。左室造影では前壁中部・下壁(segment #2, 4)が無収縮であった。

㊼ 知らないうちにポテチを食べちゃってました

著者: 越智紳一郎

ページ範囲:P.755 - P.755

患者:60歳台、女性。
1カ月ほど前、近医内科から、軽度の入眠困難に対してゾルピデムが処方された。ある朝起きた時に、ゴミ箱にポテトチップスの空袋が捨ててあることに気がついた。家人に誰が食べたかを尋ねると、本人が昨夜食べていたことを指摘されたが、本人には食べた記憶がなかった。その後も同様に夜間お菓子などを食べて、翌日その出来事を覚えていないことが繰り返されたため、認知症ではないかと心配して受診した。受診時のMini Mental State Examinationは29/30点(カットオフ値23/24点)。

㊽ 春の憂鬱

著者: 澤近弘

ページ範囲:P.756 - P.756

患者:30歳台、女性。
1カ月前から右足関節の腫脹、痛みが出現。両下腿前面に痛みを伴う硬結を自覚。
胸部CT検査で両側肺門部にリンパ節腫脹あり。
新年度の職場転勤に伴い、仕事が忙しい時に足首をひねったかと気にしている。

㊾ Parkinson病患者の繰り返す腹痛

著者: 溝畑宏一

ページ範囲:P.757 - P.757

患者:80歳台、男性。
5年前にParkinson病の診断を受けてレボドパ内服中。数カ月前からの下腹部痛を主訴に受診。痛みは下腹部が強く引っ張られ硬くなる感じが毎日起こり、たまに上腹部にも広がる。立位・座位・歩行で増悪するが、臥位で軽快する。腹部超音波検査では明らかな所見は認めず、下部内視鏡検査でもこれといった所見はなし。便秘症と判断して緩下剤を処方するも一向に改善しない。腹部CT検査を施行し、本人が痛がる下腹部を中心に注目したところ腹直筋の肥大を認めた。

Editorial

“魔法の言葉”で、High Yieldを開発せよ!

著者: 上田剛士 ,   志水太郎

ページ範囲:P.679 - P.679

診断に最も寄与するものは病歴です。それはさまざまな検査技術が発達した現在においても変わりません。患者は自分の病名を語るとも言われます。しかし、それを読み取るのは必ずしも容易ではありません。
 「平地はまだしも、階段での移動が苦手」という訴えだけでは、診断を絞ることは難しいでしょう。それが呼吸困難のためであれば、心疾患や肺疾患、貧血、神経筋疾患を考える必要があります。もし移動が苦手なのが疼痛のためであったり恐怖のためであれば、鑑別診断は全く異なります。

患者さんには言えない!? 医者のコッソリ養生法・1【新連載】

不養生の医者、養生の神に「風邪」の治し方を習う

著者: 須田万勢

ページ範囲:P.762 - P.766

 日々、病棟に外来に仕事に追われる総合診療医・貝原先生。今日も午前の外来が長引き、医局に戻ってソファで「ふ〜」とため息をついた瞬間、軽い寒気を覚えた。「今日は外も寒いし、俺も身体が冷えやすい年齢になったものだ」と首をふりふり、仕事を早めに切り上げて帰路につく。寒気がだんだん強くなってきて、家に着く頃にはなんだかダルくてたまらなくなってきた…。

【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・14

「それでも会いたい」

著者: 矢吹拓

ページ範囲:P.682 - P.682

本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。

What's your diagnosis?[222]

甲状腺とビタミンA⇒ワイルドだぜ!

著者: 石田真樹 ,   酒見英太

ページ範囲:P.683 - P.687

病歴
患者:69歳、男性
主訴:労作時呼吸困難
現病歴:入院7週間前から時折動悸を感じていたが、3週間前にふらつきをきたしてA医院を受診し、心房細動を指摘されてアピキサバンが開始された。ふらつきが残るため2週間前に撮った頭部MRIで両後頭葉に心原性脳梗塞を指摘されたため、当院神経内科に紹介入院となり、急性期治療としてエダラボンが開始された。2週間前のリハビリテーション時から乾性咳嗽、労作時呼吸困難を自覚していたが、脳梗塞の後遺症はなく退院。しかし退院後も労作時呼吸困難が増悪したため、呼吸器内科外来を受診した。悪寒・発熱・寝汗、食思不振・体重減少、頭痛、眼症状・耳鼻症状、咽頭痛・嗄声、起座呼吸、胸痛・背部痛、腹痛・膨満感、便通変化、血便・黒色便、残尿感・頻尿、褐色尿、排尿困難、浮腫、筋肉痛・関節痛、皮疹・紅斑、筋力低下・感覚障害はなかった。
既往歴:高脂血症、高血圧症、50歳で両側手根管開放術
内服薬:ロスバスタチン2.5mg、ビソプロロール2.5mg、アピキサバン10mg
家族歴:結核、心肺疾患は知る限りない
生活歴:60歳まで大工。16〜62歳の間20本/日の喫煙、その後禁煙。飲酒なし。

『19番目のカルテ』を読んで答える! あなたの“ドクターG度”検定&深読み解説・3

“痛み”の名前—(『19番目のカルテ』第3話より)

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.767 - P.769

本連載は総合診療ビギナーの皆さんに、総合診療の楽しさと奥深さを解説することが目的です。漫画『19番目のカルテ』のエピソードを深読みすることにより、総合診療医がどのような根拠に基づいて診断しているのかを理解していただければ幸いです。本連載は『総合診療』×『19番目のカルテ』のコラボ企画で、本誌編集委員の山中克郎先生・徳田安春先生が隔月で作問&解説します!

“コミュ力”増強!「医療文書」書きカタログ・12

—かかりつけ患者の「原疾患増悪時」の紹介状—患者への“責任感”まで手堅く伝える!

著者: 天野雅之

ページ範囲:P.770 - P.774

今月の文書
診療情報提供書
セッティング:診療所→総合病院への診療依頼
患者:糖尿病のため、診療所に定期通院中。2カ月間で急に血糖コントロールが増悪したため、病院紹介を提案した。
【登場人物】
桜井:総合診療科1年目専攻医。現在は地域の診療所で研修中。
葛城:総合診療科の部長。糖尿病管理が得意。病院(総合外来)で紹介患者の初診を担当している。
飛鳥:桜井の指導医。総合診療研修プログラム責任者として定期的に面談している。

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・15

「つわりで匂いに敏感になる」は正しくない

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.776 - P.779

患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはありませんが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・54

好酸球増多に“降参”しないための系統的アプローチ

著者: 滝井健人 ,   杉田周一 ,   徳田安春

ページ範囲:P.781 - P.786

 今回は宮古病院近隣の離島からの精査紹介のCASEであり(離島診療所では限られた検査資源のため、白血球数の分画評価も検体を当院に送り後日の検査報告となるため、評価・判断をするのにどうしても時間が必要となる)、患者は受診X-1月に当院入院歴がある。当時の入院時に好酸球増多症を認め、薬剤性を疑い薬剤中止後に改善した経緯がある。
 末梢血中の好酸球増多は、日常診療のなかで遭遇することが非常に多い。その原因疾患は、アレルギー性疾患、寄生虫感染症、ウイルス感染症、結核、自己免疫性疾患、骨髄増殖性疾患、リンパ増殖性疾患、副腎不全、薬剤性など多岐にわたる。また、好酸球は臓器浸潤性が高く、生命維持に必要な臓器に浸潤して臓器障害を引き起こすことがある。臓器障害の正確な評価と管理を行いつつ、系統的なアプローチを適切に行っていかなければ、生命予後や機能予後に影響を与える可能性がある。

研修医Issy&指導医Hiro&Dr.Sudoのとびだせフィジカル! 聴診音付・6

心臓のフィジカル Part2

著者: 石井大太 ,   須藤博

ページ範囲:P.787 - P.791

ここは、とある病院。研修医IssyはフィジカルマスターDr. Sudoとともに、入院患者さんのベッドサイドへ回診に赴くのであった。

“JOY”of the World!|ロールモデル百花繚乱・17

キャリアプランを立てるのは諦めた

著者: 鵜飼万実子

ページ範囲:P.793 - P.797

 東京下町の開業医の娘として育ち、医師となり稼業を継ぐことが命題だった。その命題に前向きになれないまま医学生・研修医となったが、どうやら神様という方は私にいろいろと仕掛けるのがお好きなようである。将来のイメージは、ことごとく覆された。しかし、さまざまな偶然は、何かの伏線回収のように次につながっていく。

【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第15話

きちんと触る医者

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.802 - P.807

前回までのあらすじ 今月のナゾ
 4月、また春が巡ってきた。今回からの新エピソードでは、黒野たちの病院の教育部長・吉田が、本連載第1回(2020年4月号)以来に登場する。「患者に触らない医者なんて、マズいだろう」。あの時、吉田は、そう苦言を呈するべく黒野を訪ねた。黒野は患者に触ると何かを感知し、自身の具合が悪くなるのだ。「みないことで、触れないことで、気づけることがある」とも黒野は言う(2020年6月号)。そんな黒野に、吉田は実は一目置いており…。好対照な2人の医師が再びまみえる。

 患者は、手足の衰えと呂律の回りにくさを感じている高齢者である。すでに神経内科も受診しているが、特定の診断に至る身体所見は認められない。加齢なのか、疾患なのか? 筧の診察結果を聞いた黒野の診立ては? 病歴聴取・身体診察における筧のアプローチにも注目したい。

投稿 GM Clinical Pictures

突然発症の右上下肢麻痺+頸部痛、鑑別は?

著者: 仁村明日香 ,   窪田健児 ,   廣瀬保夫 ,   矢部正浩

ページ範囲:P.799 - P.800

CASE
患者:50代、男性。
主訴:右半身脱力、後頸部〜肩甲骨の痛み。
現病歴:職場で仕事中に臥位で仮眠を取った後、デスクワークを再開して間もなく、突然後頸部正中から両側肩甲骨にかけて疼痛と上肢の脱力を自覚し、ペンが持てなくなった。また、立ち上がるとつかまり歩行を要する程度の右下肢の脱力も生じた。疼痛も増悪傾向であるため救急要請した。
既往歴:なし。内服歴:なし。
身体所見:
●バイタルサイン:体温36.5℃、血圧(右)176/98mmHg・(左)189/106mmHg、脈拍数62回/分、呼吸数12回/分、SpO2 97%(室内気)、GCS(Glasgow Coma Scale)15。
●神経学的所見:脳神経系に異常なし、右上下肢は挙上できるが保持不可、左上下肢は挙上保持可、感覚障害はなし、位置覚正常、失語なし、消去現象なし、NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)3点。
頸部単純CT:図1。
頸部造影CT:図2。

#総合診療

#今月の特集関連本❶

ページ範囲:P.699 - P.699

#今月の特集関連本❷

ページ範囲:P.707 - P.707

#今月の特集関連本❸

ページ範囲:P.710 - P.710

#今月の特集関連本❹

ページ範囲:P.713 - P.713

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.759 - P.759

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.797 - P.797

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.758 - P.759

#書評:—『medicina』Vol.58 No.4 2021年増刊号—救急診療 好手と悪手

著者: 仲田和正

ページ範囲:P.761 - P.761

 本書の冒頭の「脳梗塞mimicsを見逃さない!」(p.14〜18)を読んで、あまりの面白さに引き込まれ、一気にすべて読了してしまいました。通常、GCS(Glasgow Coma Scale)のE(開眼)とV(最良言語反応)は「E1V1」「E1V2」のように同じくらいの数値のはずであり、Eが良いのにVがガクンと悪かったらそれは「失語」だというのです。EとVが同じくらいの数字だということには、今まで気がつきませんでした。また、「脳梗塞患者の収縮期血圧は140mmHg以上が多く、低かったら違和感をもち大動脈解離(右内頸動脈が障害されやすいので左麻痺になる)の可能性を考えよ」というのも、真のクリニカルパールです。
 ほかにも、「急性膵炎」の項(p.160〜164)で紹介されている「高山の圧痛点」(剣状突起とへそを結ぶ中点から左側にある点を正中へ押した時の圧痛)や「Mallet-Guy徴候」(右側臥位にして膵臓以外の臓器を右側腹部に移動させ、心窩部から左上腹部を触診して圧痛をみる)についても全く知りませんでした。「急性腎障害」の項(p.190〜193)では、尿管結石が尿管膀胱移行部にある時、カラードプラを膀胱越しに当てると「twinkle sign」が見られることが紹介されています。これは、ザラザラした物質の場合、石の後方が虹色に輝くというものです。今まで尿管結石では水腎症しか確認しておらず、結石にカラードプラを当てるなんて思いつきませんでした。また、カラードプラでは、「ureterovesical sign」(尿が尿管から膀胱に出てくるジェット)も確認できます。

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目次

ページ範囲:P.680 - P.681

読者アンケート

ページ範囲:P.760 - P.760

『総合診療』編集方針

ページ範囲:P.809 - P.809

 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2018年1月  『総合診療』編集委員会

『総合診療』バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.810 - P.811

お得な年間購読のご案内

ページ範囲:P.811 - P.812

次号予告

ページ範囲:P.813 - P.814

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え

32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?

32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!

32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

32巻5号(2022年5月発行)

特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況

32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?

32巻2号(2022年2月発行)

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

32巻1号(2022年1月発行)

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!

31巻9号(2021年9月発行)

特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?

31巻8号(2021年8月発行)

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。

31巻7号(2021年7月発行)

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー

31巻6号(2021年6月発行)

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

31巻5号(2021年5月発行)

特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで

31巻4号(2021年4月発行)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

31巻3号(2021年3月発行)

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。

31巻2号(2021年2月発行)

特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで

31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

30巻11号(2020年11月発行)

特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考

30巻10号(2020年10月発行)

特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ

30巻9号(2020年9月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】

30巻8号(2020年8月発行)

特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集

30巻7号(2020年7月発行)

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック

30巻6号(2020年6月発行)

特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!

30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

30巻3号(2020年3月発行)

特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール

30巻2号(2020年2月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】

30巻1号(2020年1月発行)

特集 総合診療医の“若手ロールモデル”を紹介します!—私たちはどう生きるか

27巻12号(2017年12月発行)

特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After

27巻11号(2017年11月発行)

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

27巻10号(2017年10月発行)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

27巻9号(2017年9月発行)

特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい

27巻8号(2017年8月発行)

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

27巻7号(2017年7月発行)

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編

27巻6号(2017年6月発行)

特集 「地域を診る医者」最強の養成法!

27巻5号(2017年5月発行)

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

27巻4号(2017年4月発行)

特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。

27巻3号(2017年3月発行)

特集 これがホントに必要な薬40—総合診療医の外来自家薬籠

27巻2号(2017年2月発行)

特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!

27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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