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文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻6号

2021年06月発行

文献概要

患者さんには言えない!? 医者のコッソリ養生法・1【新連載】

不養生の医者、養生の神に「風邪」の治し方を習う

著者: 須田万勢1

所属機関: 1諏訪中央病院 リウマチ・膠原病内科

ページ範囲:P.762 - P.766

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 日々、病棟に外来に仕事に追われる総合診療医・貝原先生。今日も午前の外来が長引き、医局に戻ってソファで「ふ〜」とため息をついた瞬間、軽い寒気を覚えた。「今日は外も寒いし、俺も身体が冷えやすい年齢になったものだ」と首をふりふり、仕事を早めに切り上げて帰路につく。寒気がだんだん強くなってきて、家に着く頃にはなんだかダルくてたまらなくなってきた…。

参考文献

1)大塚敬節:診療應用 傷寒論解説(東洋医学選書).p148,創元社,1966. <大塚敬節は、東洋医学の徒であれば誰もが知っている、昭和の東洋医学界の大御所である。『傷寒論』の解説書はいくつもあるが、本書は丁寧かつ初心者にもわかりやすく書いてあり、自分のレベルが上がるたびに読み直すと新しい発見があるという点で、風邪診療を志す者は常に手元に置いて参照したい1冊である>
2)Dinarello CA, et al:Fever: links with an ancient receptor. Curr Biol 9(4):R147-150, 1999. PMID 10074418
3)藤平健:「傷寒論」 の治療諸原則について. 日本東洋醫學會誌 28(1):1-12, 1977.
4)Kubo T, et al:Antipyretic effect of Mao-to, a Japanese herbal medicine, for treatment of type A influenza infection in children. Phytomedicine 14(2-3):96-101, 2007. PMID 17141491
5)Nabeshima S, et al:A randomized, controlled trial comparing traditional herbal medicine and neuraminidase inhibitors in the treatment of seasonal influenza. J Infect Chemother 18(4):534-543, 2012. PMID 22350323
6)文献1のp209.
7)文献1のp146.
8)Sung EJ, et al: Effects of bathing and hot footbath on sleep in winter. J Physiol Anthropol Appl Human Sci 19(1): 21-27, 2000. PMID 10979246
9)野口晴哉:風邪の効用.全生社,1962. <野口晴哉は一般には「野口整体」という独自の整体方法で知られるが、それまで多種多様で乱立していた手技療法の標準化を目指し、それらの共通点を整理して「整体」と呼称し、その言葉を広めた功労者である。旧文部省の認可を受けて社団法人「整体協会」を創立するなど、整体法の普及に力を入れた。その野口の本のなかでも異色かつ西洋医にとって目からウロコなのが本書である。いわゆるエビデンスベースドの本ではまったくないが、著者は学生時代に本書と出会い、「風邪は身体が緩むためのプロセスであり、治すものではなく、経過するものだ」「背骨の歪みがあると、風邪がうまく経過せず、こじれる」「食事による内臓疲労、休みたいなどの甘ったれた思考なども風邪の原因になる」というような概念に衝撃を受けた。医師になって10年以上経過した今も、これらの概念は「風邪」を多面的に考えるうえで、著者の脳の片隅に焼きついている。2003年にちくま文庫から復刊>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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