総合診療31巻7号

2021年07月発行

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー 【スペシャル・アーティクル】ICT（情報通信技術）を使い倒す

病院と在宅・診療所を結ぶ「遠隔医療」「オンライン診療」

著者： 本村和久¹

所属機関： ¹沖縄中部病院 総合内科

ページ範囲：P.871 - P.874

Case1
離島診療所での遠隔コンサルテーション
　沖縄県には16の県立離島診療所があり、そこに単独赴任する医師は卒後9年目以下の若手医師で最も経験年数の少ない医師は総合診療専門研修3年次（最短で卒後5年目）である。診療の場は、診療所のみならず、在宅や施設など幅広い。
　皮膚科に関する相談窓口は、研修プログラムをもつ沖縄県立中部病院の皮膚科医が関わっている。スマートフォンで撮った皮膚所見を皮膚科医に送ってコメントを得るコンサルテーションを行っている。整形外科領域でも、X線写真での骨折診断やその後のギブス固定の方法などを、スマートフォンの写真をもとに指導している現状がある。

参考文献

1）厚生労働省：オンライン診療の適切な実施に関する指針．医政発0330第46号（平成30年3月30日），2018. https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/863/20180809/20180809_2.pdf

2）厚生労働省保険局医療課：新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて．厚生労働省保険局医療課事務連絡（令和2年4月10日），2020. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/news/2012/000145591.pdf

3）厚生労働省医政局医事課：過疎地域における遠隔医療． https://www.soumu.go.jp/main_content/000638147.pdf

4）総務省：総務省の遠隔医療に関する取組．未来投資会議構造改革徹底推進会合「健康・医療・介護」会合（第8回）資料2（令和元年11月27日），2019. https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/health/dai8/siryou2.pdf

5）熊田奈津紀：がん患者の褥瘡ケアに対する遠隔看護コンサルテーションシステムの開発と有効性の検証．科学研究費助成事業（2014-2017），科学研究費助成事業研究成果報告書，2018 https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-26861907/26861907seika.pdf

6）総務省情報流通行政局情報流通振興課地域通信振興課：遠隔医療の推進に関する総務省の取り組み（平成23年3月7日），2011. https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai9/siryou4_1.pdf

7）長谷川高志：在宅医療と遠隔診療．一般社団法人 日本遠隔医療学会：図説・日本の遠隔医療 2013. pp19-20, 2013. http://jtta.umin.jp/pdf/telemedicine/telemedicine_in_japan_20131015-2_jp.pdf

8）徳洲会グループ：徳之島徳洲会病院遠隔診療を本格実施へ徳之島モデル”創出目指す．徳洲新聞 1195（1），2019（7月29日）． https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/1195/article-1.php

9）日本遠隔医療学会 遠隔医療ガイドライン策定ワーキンググループ：在宅等への遠隔診療を実施するにあたっての指針（2011年度版）．2011. http://jtta.umin.jp/pdf/14/indicator01.pdf

10）総務省情報流通行政局情報流通振興課情報流通高度化推進室：遠隔医療モデル参考書—オンライン診療版（令和2年5月）．2020． https://www.soumu.go.jp/main_content/000688635.pdf

11）Aoki N, et al： Triangulation analysis of tele-palliative care implementation in a rural community area in Japan. Telemed J E Health 12（6） : 655-662, 2006. PMID 17250487